【授業時数Q&A】ちょっと待った!

【授業時数問題Q&A】
ちょっと待った! 授業時数は足りている!
行事の削減,夏休み等の大幅削減は必要なし

2020年7月8日 大阪教育文化センター事務局
8月3日追加

Q 授業時数は,本当に足りているのですか?

A 本当です。
 教科書のみを使い,文科省の要請で教科書会社がつくっている「重点化」を行うだけでも,授業時数は確保できます。
 文部科学省は6月5日,「学校の授業における学習活動の重点化に係る留意事項について」という通知を出しました。その内容は大雑把に言うと,小学校6年,中学校3年は学校で教える内容を2割削減するというものです。

■学習活動の重点化等に資する年間指導計画参考資料■(教科書協会)

 これに基づき,各教科書会社が「重点化」という名の「削減案」をつくっています。

 それを見ると,6年算数では年間標準授業時数は175時間ですが,教科書は175時間で編集されていません。東京書籍の教科書では155時間で編集されています。これが「重点化」によって,107時間としています。これは標準授業時数の61%ほどになります。

短縮しなくても十分確保できる

 大阪の場合,多くの学校が6月15日から再開されました。従来の夏休みや祝日等を除くと,残り31週分の授業日があります。
 つまり,175×31/35=155時間の授業時数となります。だから,夏休みや冬休み等を短縮しなくても,ましてや7時間授業や土曜授業をしなくても,107時間の授業時数は十分確保できます。
 国語の場合も同様です。標準授業時数175時間に対し,光村図書の指導書では配当時間が145時間,「重点化」によって119時間ほどになっています。

【付記】文部科学省は「新型コロナウィルス感染症対策のための臨時休業により,学校教育法施行規則に定める標準授業時数を踏まえて編成した教育課程の授業時数を下回ったことのみをもって,学校教育法施行規則に反するものとはされない」「令和3年度又は令和4年度までの教育課程を見通して検討を行い,学習指導要領において指導する学年が規定されている内容を含め,次学年又は次々学年に移して教育課程を編成する」(5月15日通知 第265号)と記しています。
これは,「標準時数を下回っても学校教育法施行規則に反しない,各学校は今年度の学習内容については2〜3年かけて教育課程を編成すればよい」ということです。

Q 中学校はどうでしょうか?

A 中学校も大丈夫です。中学3年生を見てみましょう。(1,2年生の場合も同様)

 表のAは指導書に掲載されている年間授業計画の授業数(平均)です。Bは「学習活動の重点化」に伴った授業時数です。Bは大阪教文センターの「提言」で示した時数(9月再開〜2月の23週分)とほぼ同数です。
 表中央や右の「短縮なし」は6月中旬〜3月卒業式まで,夏休み短縮なし,7限授業や土曜授業を考えていない場合(中3は30週 中1中2は31週)の時数です。これだけ見ても十分に授業時数は確保できます。

現場は「詰め込み」の年間計画に

Q それでは,夏休みなどを短縮したりすると「やりすぎ」になるのですか?

A そうです。以下の表を見てください。6月中旬以降学校が再開し,30日以上夏休みを短縮した(大阪の場合)中学校の試算です。これでは例年の授業時数と何ら変わりなく,9ヶ月ほどで1年間の授業を詰め込むということになります。

 このように「新しい生活様式」といいながら,これまでの「学習の遅れ」を取り戻す・標準授業時数を確保するべく,「コロナ以前」にもどり,これまで以上の詰め込まれた時間割となっている学校が多いようです。これでは人類が新たな感染症とどう向き合っていくのか模索しているときに,逆行する行為です。

年間計画は柔軟な対応を

Q でも,今から夏休みの短縮をやめるというのも難しいでしょうし,どうすればいいですか?

A 生まれてきた余裕の時間を活用して,子どもたちとゆったりと学ぶことを追求してはどうでしょうか。教育にとって一番大事なのは子どもです。そして先生は教育の専門家です。だから「授業時数確保」の名の下に,子どもたちに無理やり教科書の中身を押しつけるのではなく,子どもの実態・様子をじっくりと見て,指導に軽重をつけることが大切です。それができるのは,専門家としての教師です。

Q 具体的にはどうしたらいいのでしょうか。

A 運動会や文化祭等の学校行事が削減されたとしても,時間のゆとりを使って学級・学年で文化行事やレクリェーションにとりくむことも可能です。それが「自前の教育課程づくり」です。
 そして学年単位なら子どもたちとともに企画立案段階から考えていくことで子どもの自治意識も育っていきます。
 また教科の授業が標準時数の6割程度で計画できるなら,残りの時間を精選した学習内容にじっくりと時間をかけることもできます。そうすることで「主体的で」「深い学び」を体験できます。

 【追加】もうひとつ。子どもの発達段階に応じて,道徳や「総合」「探究」の時間や教科横断の時間を使って,新型コロナウィルスや感染症に関する学習を子どもたちとともに手探りで調べ学習を進めることもできます。現在わかっている新型コロナウィルスの正体や予防の方法,感染症と人類の歴史,科学や医学の進歩,感染が広まる中での人間の行動や道徳性などを学習することも可能です。

 例えば,ナイチンゲールを調べようとしたら,統計学や戦争と感染症の関連なども学習できるチャンスともなります。それぞれで調べた内容を発表し合うのもいいでしょう,調べた内容をさらに深く学習することも可能です。そしてポストコロナで私たちの生活がどう変わっていくのか,人類の進む道を議論し,その結果を何らかの形で報告することもできます。

 ぜひ,「提言」(4月27日)の精神を生かした学校づくりを,足もとの学級づくりから始めませんか。

【付記】文部科学省「学びの保障」の方向性
 文科省5月15日通知の『新型コロナウィルス感染症の影響を踏まえた学校教育活動等の実施における「学びの保障」の方向性等について』を要約すると,

①行事等を含めた学校ならではの学びを大切にする
②Withコロナをふまえて学習内容や指導方法の柔軟な見直し
③授業時数は子ども・教職員の負担軽減も配慮する

となっています。

  

教育講座「コロナ禍のもとでの 子どもたちとの出会い…」

6月27日第1回教育講座「コロナ禍のもとでの
子どもたちとの出会い・つながり・学級開き」

COVID-19による3ヶ月間の休校措置。
それから子どもとやっと出会えた日。
緊張と今までとちがう教室の雰囲気。
「学習の遅れを取り戻す」というけれど,
「学び」は教科の学習だけなのだろうか。
これから子どもたちとどうつながる?

キレイに見るにはコチラ(PDF・DL用)

内 容 現場からの報告(小学校・中学校)
    休校中のとりくみの中で考えたこと
    学校再開後の子どもの姿・こんな工夫をしてみた

コメンテーター 山口妙子さん(大阪教育大学講師)

日 時 2020年6月27日(土) 13時半〜16時半

■6月27日 第1回教育講座の感想■

●今日はありがとうございました。話すことで自分自身の実践を相対化することができました。Hさんの”愛”あふれる学級,子どもとの関係,”ドライ”といいながらも子どもとの関係を楽しんでいるKさんの実践,どれもが個性的ですばらしいものだなと感じました。そして,その中に流れる子ども理解のまなざし,授業づくりの観点は普遍的なものであるなとも,同時に感じました。
 そこに山口さんのコメントにより,実践への意味づけ・位置づけがはっきりしたのではないかと思います。めまぐるしく変化するこの情勢の中で,子どもたちと豊かな実践を紡ぐためにもぶれずにあり続ける教文センターの存在がより一生際立つときが来ているように強く思います。
 
●今日感じたことは,「ゆとり」って大切だなということです。私は5年目の教員で,いわゆる「ゆとり世代」の人間です。今まで「ゆとり=悪いもの」という世の中の流れの中で,イヤな思いをしてきたこともたくさんあります。ただ,教員にも子どもにもある程度「ゆとり」がないと,命さえも奪いかねないのでは?と感じています。
 子どもの自己表現(お話の中ではガチャガチャという言葉で言われていましたが)をまるごと受けとめるには,教員の心や身体に「ゆとり」がなければいけないし,子どもたちにも「ゆとり」がなければ限界に達し,学校嫌い,勉強嫌いの子を大量につくり,そのストレスをいろんな形で出してしまってどんどん自己肯定感を下げてしまうと思います。その「ゆとり」をつくるためには,教育課程の編み直しが大切だと思います。今は「詰め込み」をしている場合ではない!と本当に思えました。

●分散登校中の子どもたちをつなぐとりくみが素敵でした。子どもたちをつなぎ,安心させ,授業をともに楽しむ,そういった考えを根底に持ち続けられるようにしていきたいと思いました。
 子どもたちはたった2週間の通常授業で,これまでにない疲れを見せています。市では,この上7月上旬から7時間授業を行うことになっています。保護者からは「子どもに無理させんといてな」と,不安の声が上がっています。私は,増えたコマはゆとりの時間にしたいなと思います。
 
●3月から6月にかけて,暗中模索の日々でした。教文センターの提言「いまだかつてないとりくみを」が出されたとき,提言の中身を読んで,コロナ禍の今こそ,子どもから出発する教育とは何だろうかということを問い直さねばと思いました。最近,教育実践を聞く機会が少なかったのですが,今日は3名の先生方の報告を聴いて,前向きな気持ちになることができました。

●学校が再開してやはり,この間の子どもが抱く不安な気持ちやしんどさを受けとめることの大切さを改めて実感しました。集団あっての学び,学習集団の形成,大切さを気づける,それを子どもたちに伝え,教員集団も自覚することが学校本来の役割ではないかと思いました。算数の授業をするたびに「算数通信」で子どもの様子や内容,感想なども載せて発行しています。コロナの中でこそつながりと集団形成を,今求められていることを認識でき,励みになった講座でした。

  

大阪教文センターだより145号 提言の要約と補足

大阪教育文化センターだより145号(2020年6月9日)より抜粋

提言の要約と補足

 6月の学校再開に伴い,大阪では42日間の夏休みを10日間に縮減,文科省の通知に反してあくまで授業の標準時数確保にこだわった通知を出しています。
 ここでは,あらためて各学校での教育課程づくりへの参考となればと思い,大阪教文センターが出した4つの提言内容の要約(箇条書き)と若干の補足を行いたいと思います。なお,くわしい文面や授業計画等の資料については直接HPをご覧ください。また,提言に関して寄せられた感想も一部付記しておきます。

【提言】学校再開に向けた,今だかつてないとりくみを
―子どもたちにとって大事なことを絞り込んで,教育内容の大胆な削減を―(4月27日)

子どもにとって何が必要か,
学習指導要領に子どもを合わせない 単純に行事を削減しない
※神戸新聞社説(6月1日)には『忘れてはならないのは、子どもの心のケアである。現場からは「阪神・淡路大震災当時の状況に似ている」との声が上がっている』とありました。ならば,それぞれの学校での子どもの実態を鋭く見つめていく必要があります。

①学校再開へは子どもとの出会いを大切に,子どもをまるごと受けとめよう
子どもはこの間,どんな思いで過ごしてきたのかを想像し,「よく来たね」と子どもをまるごと受けとめたい。

②今こそ教育の専門家としての教師の力の発揮を
教師はいつも子どものことを考えて教育活動を計画している
・子どもに心を寄せ,あたたかいまなざしで子どものケアを
 不安の中でも子どもたちは頑張っている。学校再開後はあたたかいまなざしで

・教科学習では大胆に単元を削減し,子どもの学習負担を軽減する。次の学年に「持ち越し」の単元も視野に入れる。
 「年間計画」とまでいかなくても,「最低限これだけは教える」という単元を3〜5に絞り込み,優先順位をつけて授業をする。積み残した単元は削減するか,次年度以降の「持ち越し」に。時間をかけてじっくりと授業をすることで『主体的に深く」学ぶことができます。

 また「密」とされる水泳の授業でも,人員を確保しながら小学校は1クラス,中高は男女別に授業する(他方は体育館)などの工夫も考えられるのではないでしょうか。

・教科外活動では安易に行事の削減はおこなわない。行事等は「総合」に位置づける。学年会や教科部会,生徒指導部会,児童会・生徒会担当者会議で縦と横の繋がりをつくってすすめる。
 学習指導要領通りでは子どもも教師もパンク
 子どもたちは,教科学習のみで成長するのではありません。

③具体的なとりくみ
高校入試・大学入試の出題範囲の削減
年間計画なら,9月再開(23週)を想定した計画で標準時数の66%を確保。
※くわしくはそれぞれの授業計画を参照。

④父母・保護者の理解と合意を
⑤教職員の合意づくりを
⑥今こそ,校長のリーダーシップ発揮を
⑦いわゆる「ネット授業」について
 授業は教師と子どもたちとの双方向・対話的関係でつくりあげるもの
⑧大切なのは,子どもを全力で受けとめること

■提言の内容はコチラ■

【追加提言】休校中の登校日の対応と学習課題について(5月13日)

①登校日は子どもたちとの最初の出会いであり,子どもの様子を見るチャンス。新しい先生は,自己紹介からたのしく,交換日記などで伝えあい。
久しぶりの登校だからこそ,子どもの気持ちを思いやり,向き合う。そのことを職員室で語り合えば,課題も見えてくる。
②休校中の学習課題。家庭学習は教育の専門家としての判断で。課題は前学年の復習を中心に(前学年で扱った教材の音読や漢字復習も)。通信を通して子どもや保護者へのメッセージとともに課題を。
※以下,COVID-19関連動画と資料,算数・数学プリントはHPで。

■追加提言の内容はコチラ■

【追加提言2】「オンライン授業」について
授業−教師と子どもの息づかいが感じられる空間だからこそ(5月18日)

授業は対話的・応答的関係で行われる「生きもの」。
「オンライン授業」の問題点=「オンライン授業」万能論は危険。双方向的な学びは困難。
子どもたちは中断として学び合う。
(例)授業「ごんぎつね」(4年)から考える。
教室は子どもたちと教師がつくりあげる,そこにしかない文化的空間。
授業=子どもの可能性を引き出し発展させる過程
授業の中でこそ発揮される教師の専門性

■追加提言2の内容はコチラ■

【追加提言3】小学6年 中学3年の教育課程について(5月26日)

①文科省は,「指導内容を複数学年にわたって教育課程を編成」といっている
小6,中3の除外はあり得ない。
②教育課程の編成を行うのは学校
 小中連携をふまえて「持ち越すことも」
 高校入試・大学入試等へは出題範囲の削減を

■追加提言3の内容はコチラ■

【追加補足】文科省の「学びの保障」対策

大阪教育文化センターだより145号の発行後,6月5日文科省から「学校の授業における学習活動の重点化に係わる留意事項等について」等の通知が発表されました。また,『「学びの保障」総合対策パッケージ』も公表しました。以下の部分で,それぞれの学校の実情と比較しながら,文科省から発表されたものを素直にみてみましょう。

きれいに見るのはコチラ(PDF)

■文部科学省『「学びの保障」総合対策パッケージ』■(令和2年6月5日)p5より

上の中学3年生の例からわかることは,
①夏休みが8月1日〜23日の23日間
②2学期からは,週2回の7時間授業と月1回の土曜授業(午前)
③限定的ではあるものの,運動会・修学旅行・文化祭・校外学習がある(学校行事等も含めた学校教育ならではの学びを大切にしながら教育活動を展開)
④脚注には標準時数を「下回っても,そのことのみで法令違反とはならない」とあり,また最終学年以外は「特例的に次年度以降を見通した教育課程編成を可能」(積み残し可能)とある
⑤これらは,「実際には,地域の感染状況や児童生徒や学校の実情に応じて各自治体及び学校で判断」とある。学習指導要領には,教育課程の編成は学校にあることが記述されている。
いろいろと問題のある通知ですが,以下の内容も含めて使える部分は使って,それぞれの学校で当面の教育課程の編成を考えてみませんか。

【注】以下の一般社団法人教科書協会のサイトには、「新型コロナウイルス感染症対策による学校の臨時休業への対応」として
[1]前年度3学期相当の学習内容への対応
[2]新年度4月以降の学習内容の指導への対応
があり,各教科とも標準授業時数の6〜7割程度で年間授業計画が記載されています。

■教科書を十分に活用した補充のための授業等のための資料のリンク集(一般社団法人教科書協会)■(文科省HPより)

■学習活動の重点化等に資する年間指導計画参考資料■(教科書協会)

■次ページは【提言】の感想■

  

大阪教文センターだより144号(4月24日)新年度ご挨拶

大阪教育文化センターだより144号(4月24日)より

新年度のご挨拶

戸惑いと不安と恐れのなかに希望を見いだす

大阪教文センター代表 福田敦志

「未知の状況」のもとで

 この4月から全面実施となった新しい学習指導要領をめぐる議論のなかで、「新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実」が肯定的な立場からも批判的な立場からも幾度となく言及され、論議されてきた。そのなかでもとりわけ、「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」を構成する「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養」「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等の育成」の三位一体の提起は、多様な論議を巻き起こしてきた。
 いまわたしたちは、この提起を主導した人びともおそらくは想定していなかったであろう、「未知の状況」のなかに居る。
 この「未知の状況」下において、さらには緊急事態宣言が発出される状況下において、わたしたちは「専門家」たちから発せられる情報(時にそれは、朝令暮改でさえあるものであるが)を受けとめることに精一杯となり、その情報を疑うことなく「主体的」に振る舞うことが求められ、「対話的」に確かめ合うことは「濃厚接触」として咎められ、本当に大切にすべきことは何であるかを「深」く考える機会を奪われているかのようである。

私たちの眼差しに映るものは

 知らず知らずのうちに自分の頭で考えることを放棄してしまうような状況に陥ったとき、心ある教師たちは、身近な生活現実を見つめるまなざしを研ぎ澄ませ、そこに潜む問題を的確に表現する言葉を探し求めながら、目の前の苦境と歴史的かつ社会的な状況とを結びつけ、為すべきことを見いだしてきた。
 翻って、わたしたちの身近な生活現実を改めて見つめ直そうとしたとき、わたしたちのまなざしには何が映るだろうか。わたしたちの耳には、何が聞こえてくるだろうか。
 それは、働く権利を奪われ、生活の糧を奪われた人びとの怒りや嘆きであろうか。
 それは、親密圏のなかで逃げ場を失い、恐怖に震える声であろうか。
 それは、過剰な責任を一身に引き受けるも、その責任を背負うための手立ても休息も得られないまま疲弊していく、保育士や学童保育の指導員たちの声なき声であろうか。
 これらの声のなかから、子どもたちの声は聞こえてくるであろうか。子どもたちは、声を発することすら奪われてはいないだろうか。声として発せられることなく、誰にも受けとめられない思いは、子どもたち自身の心と身体を傷つける刃となってはいないだろうか。

今 大切にすることは

 子どもたちが生きる現実への認識が深まれば深まるほど、いま、何をこそ大切にしなければならないかが明確になってこよう。少なくとも、「いま、大切にしなければならないことは何であるか」を議論する機運を意識的に高めていくことは可能であろう。それゆえに、この「未知の状況」は千載一遇の好機である。いまこそ、民主主義を現実に展開していく好機である。
 子どもたちと再会が果たされた際に教師として、学校としてなすべきことは何であるかを吟味し、合意していく時間と空間を意識的に創りだしていこう。その先にこそ、子どもたちの存在を歓待し、祝福する学校が生み出されてこよう。

学校を自分たちの知恵と力で創りはじめる年となるよう

 「2020年は、子どもたちと教師たちが生きるに値する学校を自分たちの知恵とちからで創りはじめた記念すべき最初の年であった」-後世の教育史にそう描かれることも、夢物語ではない。今年度が終わる頃には、学校づくりの魅力的な実践報告が溢れるほどになされるような、そんな一年を仲間と共に、子どもたちと共に、地域の人びとと共に創りだしていこう。
 そうした実践を支え、励まし、理論化していく拠点として大阪教育文化センターもさらに発展していくという覚悟をここに記し、新年度を迎えたみなさんへのご挨拶と代えさせていただきたい。今年度もよろしくお願い申し上げます。

【内容】
新年度ご挨拶       大阪教育文化センター代表 福田敦志
第30回大阪教文センター共同研究集会の感想「子どもの存在そのものが希望」
緊急事態宣言下の自粛要請の中で

教育講座(5月16日 13時半) 緊急事態宣言後も休校が続く「こんなときだからこそ,子どもをまるごと受け止めたい〜今年の学級づくりと授業づくり〜」本講座は延期となりました

 

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大阪教文センターだより 143号(3月26日)

大阪教育文化センターだより143号(3月26日)より

安倍首相による全国一律休校要請で、子どもも教職員も本当に振り回されました。今は学校は少し落ち着いているのかもしれませんが、先の見通せない不安もあると思います。

特に休校措置によって削減された授業日数をどう補充するのか、職場でも話題になっているのではないでしょうか。「来年度、土曜日が授業日になるのでは?」「夏休みが短くなる?」などということも取りざたされていませんか?

しかし、文部科学省は2019年3月29日に初等中等教育局長名で出した通知の中で、以下のように述べています。

『標準授業時数を踏まえて教育課程を編成したものの災害や流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態により当該授業時数を下回った場合,下回ったことのみをもって学校教育法施行規則に反するとされるものではなく,災害や流行性疾患による学級閉鎖等の不測の事態に備えることのみを過剰に意識して標準授業時数を大幅に上回って教育課程を編成する必要はない』
【文科省:平成30年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果及び平成31年度以降の教育課程の編成・実施について(平成31年3月29日)】

また、同年3月18日の文部科学事務次官通知では、「各学校の指導体制を整えないまま標準授業時数を大きく上回った授業時数を実施することは教師の負担増加に直結するものであることから、このような教育課程の編成・実施は行うべきではない」とも言っています。

 それでも,教科書を終えられていない,残された授業内容をどうするのか,悩んでいることもあると思います。単純に考えると,休校によって失われた1ヶ月近くの授業をどうするか,ということになりますが,卒業式などの行事やその準備などを除けば,休校に伴う授業日数は10日間ほどです。教科の授業に限って言えば,50〜55時間ほどです。しかも学年末ということもあって,残された教科の内容はそう多くはないと思います。
でも、それを機械的に授業時数に上乗せしてしまうと、子どもの学習負担も、教師の負担も大変になります。だからこそ、知恵を出し合って工夫してみませんか?

小中学校の週あたりの授業時数

こんなことも工夫できるのではないでしょうか?

① たとえば小学校3年生では新しく割り算が出てきますが、そのためには2年生で習った、かけ算がしっかりと身についていなければなりません。そうでないと割り算の指導にとても時間がかかってしまいます。1あたり×いくつ分=全体の量というかけ算の意味がわかり、九九を自在に使いこなせているか、しっかり子どもの実態をつかんだうえで、かけ算に一定の時間をとって、指導することが大切だと思います。回り道のように見えますが、これによって後の割り算の指導時間をうんと短縮することができ、子どもの理解もすすみます。2年生での掛け算の復習と3年生の学習の土台をつくる、まさに一石二鳥のとりくみではないでしょうか?

② また、算数のスパイラルを利用して,その単元学習の前に未学習分野を簡単に済ませるような工夫もできると思います。

③ 国語でどうしても教えたい単元(「大造じいさんとがん」などの文学作品)を残している場合,次年度の学年会で話合い、たとえば調べ学習の単元を学活や総合に回し,時間を生み出すこともできるでしょう。

④ 国語(4年)の都道府県の漢字をまったくやらないわけにはいかないと思いますが、中学校でも学ぶのですから、思い切って中学社会(地理)にお願いするつもりで、小学校4年生の段階で何が何でも覚えさせることはないと思います。子どもたちに「中学でまた勉強するからね」と言っておいてあげれば、安心できると思います。

⑤ 「小中一貫」や「小中連携」を活用することも可能ではないでしょうか?とかく無駄な会議をやらされることも多い「小中一貫」ですが、これを活用して、例えば、小学校で教え残しがあった場合、小学校で無理することなく、中学校で指導してもらうようお願いし、合意をつくることもできるのではないでしょうか?それは、子どもの実態をふまえた本来の意味での「小中連携」になると思います。

まだまだ工夫できることがあると思います。新学習指導要領全面実施だからこそ、こうした自前の教育づくりをすすめてみませんか?こうしたとりくみをおこなううえで、『おおさかの子どもと教育98号』「新提案 コレが教職員の働き方」のP4~P9が参考になると思います。ぜひ、目を通してみてください。(大阪教育文化センター事務局)2020年3月26日

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第30回大阪教育文化センター共同研究集会

 

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第30回大阪教育文化センター共同研究集会

いつも忙しい毎日,
でも子どものことを語れば,フッと疲れが吹き飛ぶ。
アホなことやって笑ったこと。
子どもに寄り添えず悔しい思いをしたこと……。
振り返ってみると,いろいろなことがあったことを思い出す。
この1年間で成長していたんだ,子どもも私も…。
そんなことが語り合える集会です。
新学期間近,4月からの全力疾走を前にひと息ついてみませんか。

【内容】

 大阪教育文化センター第30回共同研究集会が開かれました。
シンポジウム,ほんわか対談を通して「子どもへの信頼が出発点」「子どもの存在そのものが希望」「生徒全員が満足する授業が最高の生徒指導」などの発言がありました。2月28日は,新型コロナによる全国一律休校措置でどの学校も大変な一日を送ったわけですが,そうした内容も含んだ感想もありましたので,紹介します。
●感想●●
 「2・28」とか「あの日」とか語られている今回の休校命令ですが、私の学校では、最後の日、「テストや成績も気になるが、思い出深い一日にしよう」と職朝で確認し、みんなは自分のクラスへ散っていきました。女子を中心に泣いてしまうクラスや担任にサプライズを仕掛ける6年生のクラスもありました。その後、6年生の登校日、卒業式、修了式も「臨時登校日」として実施しましたが、例年以上に感情が上がり下がりしている子どもたちと教師です。心の疲れは3ヶ月後にあらわれるので、5月病が心配です。
 気持ちを上げる宿泊行事は秋に延期され、春〜夏は勉強2か!?とも。
 前年度の積み残しと新学習指導要領、新しい教科書、通知表の改訂、…そのままやったら病休者が続々出ます。今回の突然で頭ごなしの命令から学んだことは、自分で手綱を取れないということがこんなにもしんどいことだということ。
 今日は来てよかったです。集まったり、笑ったり、感動したりすることが、この仕事をしていく上で大事だと改めて思いました。楽しい学校再開・新学期になるように職場で考えていきたいと思います。

「繋がりの中で成長する」とレポートさせて頂きましたが、「繋がり恐怖症」のように、繋がらないと不安だったり、プレッシャーになったりすることは、以前より意識していました。Yが体育大会に出席することを選ばなくても、またYOが教室に入れなくても、当人の中で葛藤し、選択したのであれば、尊重したいと常々思っています。それが許される(尊重する)雰囲気を、緩い空気をあえて残すようにしています。
 Yの作文は、クラスの課題を突きつけるもので、全員の感想を学級通信に載せました。(それを言えばよかったなぁと思っています)だから、全員、Yの気持ちを知ることになり、自分の言葉が傷つけたことも、今もまだ、失敗せずに良かったという緊張の中で生きていることに気づいたと思います。K子は、じっくり話をしましたが、次の日には、Yに「おはよう!」と一番に声をかけ、その言葉に「ごめんね」という心が見えました。形だけでなく、内面の変化や思いに生徒間のつながりが見えれば、そういうゆるいつながりがあればいいと思います。

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加入者名:大阪教育文化センター

  

登校拒否を克服する会 第201回交流会(11月23日)

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登校拒否を克服する会 第201回交流会(11月23日)

主催 大阪教職員組合 登校拒否を克服する会
共催 大阪教育文化センター NPO法人教育相談おおさか

日時 2019年11月23日(土、祝) 午後1時~午後5時
場所 エル・おおさか6階(大阪府立労働センター)
資料代 500円

全体会 「教育と福祉の出会うところ」~登校拒否・ひきこもりに関わって33年~

講師 古庄 健さん(登校拒否・不登校筒題全国連絡会運営世話人会事務局長)
 古庄さんは、わが子の登校拒否をきっかけに、登校拒否を克服する会の世話人をご夫婦で長い間務められています。また、社会福祉士として地域でのひきこもり支援活動にもかかわっておられます。
ご自身の親としての体験談や、33年にわたる登校拒否・ひきこもりへの取り組み、さらに来年3月見直し予定の「 教育機会確保法」の問題点などをお話しされます。
「子ども・若者に安全・安心の場を」と言われる古庄さんのお話を聞きながら、登校拒否。ひきこもりの子ども・若者の自立、私たち親の自立をご一緒に考えていきたいと思います。
「基礎講座」(初めて参加された方のために、登校拒否についての基礎を学び交流します。)
「特別講座」父親交流会
「ミニ交流会(学齢別)」(少人数でゆっくり話し合いましょう.)

今後の予定
第292回交流会
2020年1月19日(日)午後1時~午後5時
講師:村上公平さん(NPO法人おおさか教育相談研究所相談員)

第203回交流会
2020年3月21日(土)午後1時~午後5時 講師:未定