第3回教育講座 10月14日(土)13時半 たかつガーデン 3Fローズ
「部落問題の解決とは〜今問われる課題を明らかに〜」
【内容】
基調提案 ①部落問題とは何か
②部落問題の解決とは何か
③「部落」,「同和地区」は存在しない
④「部落」,「同和地区」を語るものとのたたかい
⑤部落問題が解決したもとで,「新たな差別」とのたたかいが課題
講演 部落問題のそもそも論
■ブックレット「部落問題の解決」を発行(24年1月)■【第3回教育講座内容】
●基調報告。
教育の前提となる,そもそも論を述べる。①部落問題とは何か(明治以後に起こった,新しい身分制)②部落問題の解決は何か(問題にしない,何も知らなくていい,解決は複合的)③「部落」「同和地区」は存在しない(対象地域は多様)④部落差別が解決したもとで,「新たな差別を生む」ものとのたたかい(部落差別解消法は特別扱い・復活の根拠にならない,附帯決議を大切にすることが差別解消への道,大阪市教委=附帯決議に説明)
●講師のお話。①Oh,Happy Days(家族の動画)②「属地・属人」主義,申請方式による同和行政が混乱を作り出した(行政が差別を作り出す)③21世紀をめざす部落解放の基本方向(1987年 時代の制約)④地区指定なくなる(2016年)⑤「属性論」法務省=本来的にあるべからざる属性に基づく差別 ⑥民権連終結宣言大会⑦民権連運動の終結と全国への広がり ⑧維新政治を許さないたたかい
部落問題の概要を語るには短い時間であったが,感想にもあるように,非常にスッキリとした内容でまとめた講座となった。
【感想】同和問題の本質,スッキリした
●本日の講座は,私にとってとても貴重で学びの多かったお話を聞くことができました。私は,結婚して実家を出るまでZ市の住民でした。自分が子どもの頃,両親から聞かされてイメージができてしまった同和地区,小学校で受けてきた同和教育,そして中学生のとき初めて感じた逆差別意識。教職に就いてからは,すべてが疑問だらけでしたが,同和問題の本質が短い時間で知れて、スッキリしました。ありがとうございました。
●お二人の講演はどちらも素晴らしく,スッキリとしました。ありがとうございます。
●教育の現場では,部落問題と拉致問題の研修の押しつけが甚だしいので,話を聞かせてもらいました。わかりやすい話でよかったです。
●お二人から直接に話を聞かせて頂いて,本当にうれしくありがたかったです。あたかも「部落差別」があるかのように,つくられたものであることをしっかり指摘し続けなければならないと思う。「解放教育」なるものの欺瞞性を大いに暴露することが大事なのかなぁ?世の中が動いていることをはっきりと示すべし!
がんばっている教職員がいる!
●組合員ががんばっています。とにかく,未だに部落問題学習,部落問題研究,人権押しつけ行事を続けさせられている。しかし,たったひとりの彼は,ことごとく反対し,意見を述べることに何も反論できず,行事も減り,問題学習も弱くなっている。※やっぱり,金の流れを断たないとダメだと思う(府,市議会)。
誇らしく有意義な学習だった
●先日 部落研OB会があり,昔の仲間(と言っても私よりさらに先輩の75,6歳が中心)が30人近く集った。こもごも思い出は学生当時のたたかいが中心で,飲み食いして散会した。今日の部落問題学習をその折,みんなで確認できればよかったとつくづく思った。いろんな分野で奮闘されている先輩諸氏の運動が,私もそのほんのわずかの一端を担ったと考えると,大変誇らしく有意義な学習でした。
初任研で語られるべき内容
●初任者研修で語られるべき内容の講座だと思う。初任者研修で,「この地域が部落です」「その特徴は…」と言うことをH市でされてきた身からすると,毎年夏期に行われる夏の登校日の人権研修(悉皆,しかも保護者もともに参加させられる)なんかも,「平和登校日」からかけ離れたものであり,やはりおかしなものだったのだと改めて思った。まずは,市教委に対して夏期の「人権研修」改めさせていこうと思う。夏の大人教が大々的に夏季研を続けていることも気になるが…
ネットの差別事象
●今日はありがとうございました。「今も差別がある」と言い続けたい人たちにとって最近のよりどころは,「ネット」だと思っています。今日は質問する時間がありませんでしたが,最近のいわゆる「ネットでの地名さらし」について,どう考えていけばいいか,お二人にお聞きしたかったです。また機会があれば。
歴史はゆっくりと正しい方向に
●歴史はゆっくりと正しい方向に向かっているという言葉が印象的です。「部落差別はある」と言いきる人がいます。もちろんあるのはあるのかもしれませんが,部落民は本人が部落民だといわない限り,存在しないことは今日のお話でも明らかです。女性や男性のような属性とは違う,まさに人為的につくられたものです。学校教育で,どう教えるか教えないかは我々教員にかかっています。校内で子どものためにならない人権教育は是正するために,学習を続けていきます。
「もともとなかった」わかりやすかった
●問題は解決した,ということがよくわかりました。学校が本当に遅れている,教員管理の道具にまだ使おうとしている勢力もいますが,それも少数派になってきています。おかしいことはおかしいと言い続けます。「もともとなかった,人為的につくられたものだ」わかりやすかったです。
講師の言葉に確信を持って
●学校では「部落問題はまだある」「解決されなければならない」という教員がおり,団体があり,研究会がいまでもあります。「部落はない」「部落民はおらん」という講師の言葉に確信を持って,ひとり一人の人権を大切にする教員でありたいと,改めて思うことができました。
●学校現場でも「部落差別はある」という認識がずーっと残っています。今日の話を胸に,身近なところから少しずつできることをやっていきたいと思います。
学校における問題も取り上げて
●部落の基本に関する重要なことが聞けてよかったと思っています。部落も部落問題もなく,人が自由で幸せに生きていけるようにめざしていく大切さを感じました。できれば学校における(教育における)問題も取り上げてもらって討論もできたらと思いました。
講師の情報分析に敬意
●お二人のお話は,本当にわかりやすく,本質に基づくものだと思います。講師の情報収集力,情報を整理し,分析していく力に敬意を表します。次のお話は,いつもそうですが,本当にわかりやすい言い切りで,私たちに力を与えてくださっています。大阪歴教協の中で,また全国の歴教協の中で、今日の話で得た確信を伝えていきたいと思います。
●部落問題について,大変よくわかりました。「差別」の問題を「人権」の問題の第一の問題とすること自体が問い直さなければならないことだと思います。自由権,社会権をはじめ,幸福追求権,平和的生存権など「人権」は広く深いものです。
しっかり受けとめることができた
●前半の話。後半からしか聞けませんでしたが,部落問題の根本についての話として,しっかり受けとめることができました。後半の話。完全に濃縮されたものでした。個々の問題は,それぞれが自主的に(深めたければ)深めるのがよいのではないかと受けとめました。
●年に1回くらい,今日のような話を聞かないと,「部落差別はまだある」論に流されてしまいそうになります。ありがとうございました。
若い先生に今日の話を聞いてほしい
●お二人のお話を聞くことができて,今日は本当によかったです!!人為的につくられた差別は認められない!! その思いに,まわりの人々が共感を!! 日本は「人権後進国」であることがはっきり理解できました。誰もが普通に幸せに暮らしていけるためには,物事の本質を見抜く力だと訴えられる講師の言葉に共感します。現場で働く若い先生方に,今日のお二人の話を聞いて頂きたい!!という思いを強くしました。
友達は友達
●A市では,未だに「差別はある」として差別行政が残っています。毎年度屠畜場に市が6000万円入れており,修繕費等を含めると約1億にのぼります。前市長のときに10億で手打ちにしようとする動きもあったそうですが,うやむやにされ,今に至っています。市の議員団は,議会でも「逆差別ではないか」と指摘し,行政をただそうとがんばっています。私の友だちにも一部の地域に住んでいる子がいますが,友達は友達。どこに住んでいようが,友達に変わりないです(*^_^*)よいお話を聞かせて頂きました。ありがとうございました。
●いい話,ありがとうございました。ぼくも大部発想の転換ができてない方ですが,もっと多くの人に部落問題の話を,かつてとは違った内容でしなければと思いました。
部落問題に対する的確な見解が示された
●基調提案では,部落差別解消法制定後7年を経過した現状をふまえて,「部落差別の解消」はどうなったのか,部落問題の解決のために今,何が大切なのか,そのために私たちは問題をどう捉え,どのように考えることが必要かについて,的確な見解が示されたと思います。この見解や方針が社会全体に普及することが解決の道だと思いました。講師の講演は,部落問題の解決をめざして,解同の攻撃に対して身体を張って闘ってきた生き方や人生が伝わってきて心が揺り動かされました。
あかんものはあかん!
●あかんものはあかん,と言い続けることが大事と改めて認識しました。Z市は,「同和地区はある」「同和地区住民がいる」と言う立場に立っていて,○○地区に住んだことがあったが,当時から「部落差別はなかった」と言ったら,それが差別発言だとして登録されてしまって悔しい思いをしています。やっぱり言い続けることが大事なんでしょうね。
「部落差別解消推進法のトリセツ」発行(2023.1.23)
研究会作成のホームページ「人権教育事典」 https://jinken-kyoiku.org/