第2回教育講座(10月9日)(更新)

第2回教育講座
GIGAスクール構想で 子どもは?学校は?

学校のICT化,GIGAスクール構想前倒しがすすんでいます。
しかし,授業中にYouTubeやゲーム,家庭では着替えているところを写真流したなどの問題も。
オンライン授業も配信している学校では「(ある生徒は)数学はわかりにくいので授業を受け,それが終わると,下校してオンライン」
「配信に手や時間を取られて登校して授業を受けている生徒が放ったらかしになる時間ができる。そうなると「せっかく学校に来て授業を受けているのに…」と感じて学校で授業を受ける意義や必要性が失われないか心配」

また,「オンライン授業、緊張感うすく 子どもら「どうしても眠くなる」 宿題出すだけの学校も」(9月23日 神戸新聞NEXT)

いま,学校はどうなっているのか,語りあいませんか。

と き 2021年10月9日(土) 13時半〜16時半    
ところ 大阪府教育会館(たかつガーデン)BFオリーブ
参加費 資料代等500円(サポーター無料)     

「デバイス一人 1 台実現で学習がこう変わる」
「すべての子どもたちに,最適で多様な学びを」

GIGA スクール構想の前倒しで,
今学校ではどのような問題が起きているのか,
教科指導や生活指導はどうなっているのか,
ICT 利活用のメリットは何かを報告してもらいます。

そして「GIGA スクール構想スクール」のねらいや
本質とは何かを問題提起し,検討していきます。

■A4チラシPDF

【お知らせ】大阪教文センターでは,この9月に「GIGAスクール構想」のねらいや本質などに焦点を絞ったブックレットを刊行しました。

GIGAスクール構想とは,そのねらいと本質は
中教審答申「『令和の日本型学校教育』の構築」との関連性は,
「個人の尊厳」を守り,教育保障を前進させるICTの活用とは

渾身を込めて研究を重ねてきた成果が今1冊のブックレットに

【ブックレットのご注文はコチラ】

  

環境教育研究会(10月23日)

環境教育研究会

○日時 2021年10月23日(土)13:00~

○場所  TEAMS  

○定例研究 研究報告

■研究会へ参加される皆さん■
教文センターの2021年度サポーターになって下さい

■ あなたも教文センターのサポーターに ■

サポーターになるには

① 下記(一番下)郵便振替口座へ直接申し込む。

② 右のQRコードから直接申し込む。

③ 下の■申し込み先■をクリックして,送付先の住所・氏名等必要事項を記入の上,件名に「サポーター希望」とお書きの上,メールを発信してください。後日,直近の大阪教育文化センターだより,おおさかの子どもと教育とあわせ,郵便振替用紙をお送りいたしますので,郵便局で振込をするか,直接教文センター事務局へカンパをお渡しください。

■ 申し込み先 ■

郵便振替 口座番号:00950-9-14083

加入者名:大阪教育文化センター

  

2022年度入試とチャレンジテスト

2022年度公立高校入試とチャレンジテスト
【今年の中3の評定はどうなるか】

年々,府の評定平均が高くなるにしたがって,チャレンジテスト(9月2日実施)の結果により,それぞれの中学校3年生の評定が左右されます。
府教委から発表された結果は以下の通り。
【5教科の大阪府・評定平均】3.53
【4教科の大阪府・評定平均】3.58
以下,具体的な数値をもとにおおまかに解説。

【2022年度公立入試とチャレンジテスト.pdf】

 

  

ジェンダー平等教育研究会(10月9日)

ジェンダー平等教育研究会

○とき  2021年10月9日(土)14時

○場所  大阪府教育会館705号(会場注意)

○内容  実践交流 学校の様子

【9月11日報告】性暴力に対する学校の対応

■教文センターの2021年度サポーターになって下さい■

■ あなたも教文センターのサポーターに ■

サポーターになるには

① 右のQRコードから直接申し込む。

② 下の■申し込み先■をクリックして,送付先の住所・氏名等必要事項を記入の上,件名に「サポーター希望」とお書きの上,メールを発信してください。

後日,直近の大阪教育文化センターだより,おおさかの子どもと教育とあわせ,郵便振替用紙をお送りいたしますので,郵便局で振込をするか,直接教文センター事務局へカンパをお渡しください。
なお,ゆうちょ銀行や郵便局内のATMも利用可(局によっては土日利用可)。

■ 申し込み先 ■

  

第1回教育講座・台風への対応について

第1回教育講座・台風への対応について

9月18日(土)の第1回教育講座は,予定通り実施しますが,
台風14号(チャンスー)が西日本に接近中です。
それにしたがって,以下の対応をとります。

9月18日11時現在,大阪市に
大雨警報,洪水(土砂災害)警報,暴風警報発令中は
教育講座を中止・延期とします。

11時現在で,同警報が解除された場合,予定通り実施です。

  

教員研修の大改悪ねらう中教審まとめ案

教員免許更新制廃止と引き換えに、
教員の研修の大改悪をねらう
―中教審「『令和の日本型教育』を担う
新たな教師の学びの実現に向けて」
審議のまとめ(案)へのコメントー

2021年9月15日
大阪教育文化センター 山口 隆

はじめに

中央教育審議会「『令和の日本型教育』を担う教師の在り方特別部会」は8月23日、「『令和の日本型学校教育』を担う新たな教師の学びの実現に向けて 審議まとめ(案)」(以下「まとめ案」)を発表しました。

「まとめ案」は、教員免許更新制廃止を口実に、あるいはこれと引き換えに、子どもの教育のためという教員の研修の意味とあり方を、国家目的のためと根本的に覆し、教員の研修権を根こそぎ奪い取る重大な問題をもつものであり、「まとめ案」によって教員免許更新制の廃止が方向づけられたということをいささかも評価することはできません。

それどころか、教員の研修について、これまでにない大改悪をおこなおうとするものです。さらに、教員の研修履歴の記録管理と活用によって、GIGAスクール構想と一体に、研修をとおして教員支配を強め、教育を変質させるものであり、教育を国家権力の意のままに動かそうとする大問題を持っていると考えます。

したがって、教員免許更新制の窓をとおして、教員免許更新制が廃止されるのかどうかという角度からのみこの問題を見るのは、大きな誤りであり、問題の本質を見誤ることになりかねません。「まとめ案」を教員の研修はどうあるべきかという視野からとらえなければ、本質はとらえられないと考えます。その視座から、以下、見解を明らかにするものです。

1.そもそも教員の研修とは何か
(1)教員の研修の実施主体は教員自身

教員の研修は、地方公務員法(地公法)ではなく、教育公務員特例法(教特法)によって規定されています。
はじめに念のために、地公法と教特法の関係について確認しておきたいとおもいます。地方公務員法が一般法であるのに対し、地方公務員法の特別法という位置にある法律が、教育公務員特例法です。 教特法は、地方公務員法と国家公務員法をベースにしつつ、教育公務員にのみ適用される特例的事項を定めている法律です。特別法は一般法よりも優先するので、教育公務員特例法は地方公務員法よりも優先します。

教員の研修は、一般行政職員の研修と本質的に異なります。地方公務員法が規定する一般公務員の研修は、実施主体は「任命権者」であり、研修の目的は「勤務能率の発揮及び増進」ですが、これに対して、教育公務員特例法は第21条で教員の研修について、「教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない」と規定しています。

つまり、教特法が規定する教員の研修は、実施主体は「教員」であり、目的は「職責の遂行」=子どもの成長・発達の保障です。
それは、一般行政は、議会の多数決によって決められた政策にもとづいてすすめられるものであり、教育は多数決では決まらない真理・真実にもとづいておこなうものであるという本質的な違いがあるからにほかなりません。

したがって、教員に研修権が保障されていることは、真理・真実の教育をすすめるために、教員が自ら研修を企画、計画し実践する権利と責任を持っているということを意味します。教育行政は、いうまでもなく教員の研修の実施主体ではなく、教員が実施主体としておこなう自主的・自発的研修に要する施設、研修を奨励するための方途などの条件整備をおこなうことがその果たすべき役割です。

(2)教員の研修は教育のいとなみと一体

教育の目的は人格の完成=子どもの成長・発達を助けることです。人間はいうまでもなく自然や社会とのかかわりをとおして、また、自然と社会との諸関係の中で成長・発達する存在です。学校教育の中心となる目的は、子どもたちが、自らがかかわりをもちながら発達していく自然や社会についての基礎的、基本的な認識を身につけさせることにあります。

その基礎的、基本的な知識は、真理・真実にもとづくものでなければなりません。真理・真実は多数決では決まらず、学問の自由の保障のもとに研究され、確かめられてきた人類の英知の成果です。

教育と学問の自由がわかちがたく結びついているのは、教育が真理・真実にもとづいておこなわれなければならないという、そのいとなみの本質に由来します。また、そうした基礎的、基本的な知識は、子どもたちに命令したり強制したりして外から無理やり身に着けさせようとしても身につくものではありません。子どもがみずから理解し、納得しながら身につけていくものです。

子どもが理解、納得するためには、単に子どもたちに知識を伝達すればよいというものではありません。子どもたちは、そうした真理・真実にもとづく自然や社会についての基礎的基本的な知識を自分の中に取り込み、自分の中で組み替えることによって理解していきます。

教育といういとなみは、そういうふうに子どもの内面に働きかけることによって、私たち大人の予測を超えた可能性を持つ新しい世代の実現をめざすという、未来に向けた創造的ないとなみです。これが、教育が負っている国民全体に対する重要な責務です。

(3)教員の研修権は、教育の目的を果たすためにある

この責務を果たすために教員の研修権が保障されています。だから、教員の研修は、教科に対する専門的な知識を身につけ、指導方法を向上させること、子どもたちの人格形成をうながすための共感、理解、人間的なはたらきかけについての見識とその実践をすすめる力を身につけること、憲法と教育の条理に対する理解を深めることなどを中心とした「研究と修養」という幅広いものです。

ILOユネスコ「教員の地位に関する勧告」は第6項で、「教育の仕事は、専門職とみなされるべきである。この職業は厳しい、継続的な研究を経て獲得され、維持される専門的知識および特別な技術を教員に要求する公共的業務の一種である。また責任を持たされた生徒の教育および福祉に対して、個人的および共同の責任感を要求するものである」と述べています。これが国際的基準です。

2.自主的研修を根こそぎ奪い取り、命令研修とする「まとめ案」―重大な憲法違反

「まとめ案」は、「公立学校教師に対する学びの契機と機会の確実な提供(研修受講履歴の記録管理、履歴を活用した受講の奨励の義務づけ)」と述べ、
「①任命権者や服務監督権者・学校管理職等が個々の教師の学びを把握し、教師の研修受講履歴を記録・管理していくこと、
②教師と任命権者や服務監督権者・学校管理職等が、教員育成指標や、研修受講履歴等を手がかりとして、積極的な対話を行うとともに、 任命権者や服務監督権者・学校管理職等が、キャリアアップの段階を適切に踏まえるなど、
教師本人のモチベーションとなるような形で、適切な研修を奨励することが必要である。」と述べています。

また、「任命権者等は当該履歴を記録管理する過程で、特定の教師が任命権者や服務監督権者・学校管理職等の期待する水準の研修を受けているとは到底認められない場合は、服務監督権者又は学校管理職等の職務命令に基づき研修を受講させることが必要となることもありえる。万が一職務命令に従わないような事例が生じた場合は、地方公務員法第 29 条第1項第2号に規定する懲戒処分の要件、『職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合』に当たり得ることから、事案に応じて、任命権者は適切な人事上又は指導上の措置を講じることが考えられる。」と述べています。

つまり、公立学校教員個々の研修受講履歴を都道府県教育委員会や市町村教育委員会や校長が管理し、その履歴をもとに研修が不十分であると教育行政が判断したものに対しては、実質上の命令である研修奨励をおこない、教員が奨励された研修を受講していない場合は職務命令として研修を命じ、それでも受講しなければ「職務命令違反」として処分するというものです。これはつまるところ、国家権力が教員の研修を支配し、それをとおして教育支配をおこなうことを意味します。

このことの持つ重大な問題は、3点あります。
第1は、任命権者や服務監督権者や学校管理職が教員の研修の内容をチェックして、研修の当否を決めるということです。それは、憲法第23条が規定する学問の自由の侵害であり、「検閲はこれをしてはならない」という憲法第21条の侵害であり、二重の重大な憲法違反です。

第2は、命令研修です。
2016年に教特法が改悪され、文部科学大臣が研修にかかわる「指針」を定めることや任命権者がその指針を参酌して「校長及び教員の資質の向上に関する指標」を定めることにされましたが、それはあくまで「指針」であり「指標」であって、命令研修を予定しているものではありません。
「まとめ案」が、「服務監督権者又は学校管理職等の職務命令に基づき研修を受講させる」と述べていることは、文字通り命令研修であり、教員の研修に真っ向からそむく、教育の条理を踏みにじるやり方です。

第3は、処分まで言及していることです。
「まとめ案」が「万が一職務命令に従わないような事例が生じた場合は、地方公務員法第 29 条第1項第2号に規定する懲戒処分の要件、『職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合』に当たり得ることから、事案に応じて、任命権者は適切な人事上又は指導上の措置を講じることが考えられる。」と述べていることは、きわめて重大です。これは、教員の身分を脅かして無理やり研修を受けさせようとするものであり、脅迫による研修という、戦前にもなかった制度といわなければなりません。

3.教員の研修履歴をGIGAスクール構想による教育支配、デジタル庁創設による国民支配に組み込む

教文センターは、ブックレット「『GIGAスクール構想』光と影、教育の展望」で、「GIGAスクール構想」のねらいは、財界と国家権力が、あらゆる個人データを集積してそれを利潤追求と国民支配に利活用することを明らかにしています。

教育分野においては、子どもの健康診断の記録や学習履歴のデータなどの集積と利活用をねらっており、これらのデータを健康保険証、運転免許証、銀行口座などとともにマイナンバーと紐づけしようとしていることについても明らかにしています。

すでに述べたように、まとめ案は、
「①任命権者や服務監督権者・学校管理職等が個々の教師の学びを把握し、教師の研修受講履歴を記録・管理していくこと、
②教師と任命権者や服務監督権者・学校管理職等が、教員育成指標や、研修受講履歴等を手がかりとして、積極的な対話を行うとともに、 任命権者や服務監督権者・学校管理職等が、キャリアアップの段階を適切に踏まえるなど、教師本人のモチベーションとなるような形で、適切な研修を奨励することが必要である。」と述べています。

そして、研修履歴管理システムの構築のために、「一人一人の教師にシステムを利用するためのID(利用ID)を適切に付与する…児童生徒の学習履歴(スタディー・ログ)をはじめとした教育データを活用した個別最適な学びの充実を図っていく仕組みが今後構築されていく中にあっても利用可能なものとする」「今後、マイナンバーをはじめ、様々な政策分野のデータベースを連携させるようなIDの在り方が検討されることが期待される」と述べています。

まさに、子どもたちの教育データと一体に、教師一人ひとりの個別のデータを集積し、それをマイナンバーと紐づけすることを公言しているのです。

そもそも教員がどこでどのような研修をおこなったかは重要な個人情報です。個人情報保護法では、たとえば、個人を特定して図書館でどのような本を借りて読んだのかさえ、個人の内心に関するセンシティブな情報であり、これを本人の了解なしに明らかにすることは、個人情報保護法違反とされています。
ましてや教員がどのような研修をおこなったかは、まさに憲法第23条の学問の自由、19条の内心の自由によって保障されているものであり、それをIDによって個人を特定し、受講履歴として集積することは重大な憲法違反といわなければなりません。ところが、「まとめ案」には、「個人情報」という言葉は、たった一か所しか使われていないのです。

「まとめ案」は、ICTによる全国100万教職員の管理統制と国家権力による支配をねらうものであり、それをとおした教育支配をねらうものにほかなりません。

4.教職員支援機構の権限肥大化も重大

独立行政法人教職員支援機構は2000年に独立行政法人教職員支援機構法によってつくられ、2017年、教特法が変えられたことにともなって名称変更し、組織改編をおこなった組織です。法律によると、この機構の目的は、第3条で「校長、教員その他の学校教育関係職員に対し、研修の実施、職務を行うに当たり必要な資質に関する調査研究及びその成果の普及その他の支援を行うことにより、これらの者の資質の向上を図ることを目的とする。」とされています。

業務については、第10条で
「一 校長、教員その他の学校教育関係職員に対する研修を行うこと。
二 教育公務員特例法(昭和二十四年法律第一号)第二十二条の三第四項の規定による助言を行うこと。
三 前号に掲げるもののほか、学校教育関係職員に対する研修に関し、指導、助言及び援助を行うこと。
四 学校教育関係職員としての職務を行うに当たり必要な資質に関する調査研究及びその成果の普及を行うこと。
五 教育職員免許法(昭和二十四年法律第百四十七号)第九条の三第一項の規定による認定及び同法別表第三備考第六号の規定による認定(同法別表第四及び別表第五の第三欄並びに別表第六、別表第六の二、別表第七及び別表第八の第四欄に係るものを含む。)に関する事務を行うこと。
六 教育職員免許法第十六条の二第一項の規定による教員資格認定試験(文部科学大臣が行うものに限る。)の実施に関する事務を行うこと。
七 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。」とされています。
上記から明らかなように、その業務は、教員の研修についての指導、助言、援助が中心です。

しかし、「まとめ案」は「教職員支援機構の果たすべき役割」と特に項目を立て、その中で、
「教職員支援機構は、研修履歴管理システムの構築・運用に参画し…構築・運用を担う」
「教職員支援機構自体も、『校内研修シリーズ』や新たなタイプの学習コンテンツの拡充等を含め、先進的な学習コンテンツの開発・提供主体となる。」

「都道府県教育委員会等の任命権者が、教職員支援機構の運営により積極的に参画することが求められる」
「教職員支援機構においては、本部会における検討と歩調を合わせながら…・研修受講履歴管理システムと3つの仕組みの一体的構築に向けた構想の具体化・都道府県教育委員会等の人的参画を得るために必要な環境の整備・都道府県教育委員会等のニーズを教職員支援機構の意思決定に反映させるためのガバナンスの在り方・教職員支援機構の業務の範囲等について具体的な検討に着手していく必要がある。」と述べています。

これは、明らかに教職員支援機構の肥大化です。同時に、いま機構に付与されている指導、助言、援助という業務を超えて教員を管理統制支配するものへと変質させることをねらうものと言わなければなりません。

5.教員の研修は教育のいとなみと一体、教員の研修権の発揮で教育を前進させよう

すでに述べたように、教員の研修は教育のいとなみの本質から導き出される権利であり、教育行政がそれを侵すことは、教育に対する不当な支配にほかならず、教育そのものの変質を意味するものです。

いま、学校現場では、昨年度の小学校に続き、今年度は中学校で新学習指導要領が全面実施されています。それに加え、GIGAスクール構想前倒しによって、子どもの教育はますます困難にされています。このもとで、今こそ教員が研修権を発揮し、新学習指導要領やGIGAスクール構想に合わせた教育ではなく、子どもの実態から出発する教育づくりと教育課程づくりをすすめることが強く求められています。そのとりくみをすすめるためには、教員の専門性の発揮が不可欠です。

それでは、教師の専門性とは何でしょう。
「学校の任務は、子どもや青年の人間的成長の課題によって規定され、教師は、子どもや青年の人間的成長をたすけ、その学習の権利の内実を充足させることを基本的な任務としているといってよい。

そのための教育の内容は、科学性(真実性)に貫かれ、芸術性(人間性)にとんだものでなければならず、教育方法は、教材を媒介としての教師と子どもの人間的接触の過程で駆使される科学的方法によってのみその有効性が保障される…教師は、科学的真実と芸術的価値にもとづく教育内容の研究者であり、子どもの発達についての専門的知識をもち、子どもの知性や感性の発達の順時性に即して教材を配列し、授業過程における教材と子どもの出会いのなかに、子どもの発達の新たな契機をさぐりあて、さらに新たに、適当な教材を準備することのできる専門家であることが要請されている。

これこそは教育の本質からくる要請である。だから、その専門性にもとづく教師に研究と教授の自由は、その関心のままに何を研究してもよく、その意図のままに何を教えてもよいという意味での研究や教育の自由ではありえない。それは、まさに、科学的真実と芸術的価値(何を)と、子どもの発達についての専門的知識(だれに)の研究という二つの契機によって規定されたものである。

さらに、子どもの学習が、将来にわたっての人間的成長(生存)と幸福を志向し、教育が子どもの可能性の開花のための目的意識的いとなみだとすれば、一時間一時間の授業実践のなかでも、教育の目的(何のために)が、子どもの可能性とかかわって問われていなければならない。それは、子どもの未来像、その将来の人間像をどうとらえるかという、より大きな問いと不可分である」
(『現代教育の思想と構造』堀尾輝久 1971年)

こうした専門性を発揮するためには、教員の自主的研修権の発揮が不可欠です。
「まとめ案」がいう研修は、まさに教員を洗脳することをねらうものといって過言ではなく、研修の名に値するものではまったくありません。

教員の専門性の発揮は、教育のいとなみの本質が要請するものです。
教育の目的は、子どもの成長・発達を助けるということです。教師は、教育権を持つ父母・保護者の負託を受けて、専門性を発揮して教育という仕事をすすめます。つまり、参加と共同の教育づくり・学校づくりが教員の専門性の発揮の基盤となるのです。

参加と共同の教育づくり・学校づくりを教育活動の中心にどっしりと据えて、父母と力をあわせて教育を前進させましょう。教員の研修権に対する不当な攻撃をうちやぶる力は、教員の研修権の積極的発揮と、参加と共同の学校づくりの中にあります。そのことに確信をもち、子どもの成長・発達を助けるという教育の条理を立脚点に教員の研修権の発揮と教育の前進をともにすすめましょう。

 

  

「GIGAスクール構想」のイラスト図解

大阪教育文化センター ブックレット刊行

「GIGAスクール構想」光と影、教育の展望
―「個人の尊厳」を守り、教育保障を前進させるICTの活用へ―

ブックレットを読むにあたって,
「GIGAスクール構想」とは何か,
図解してみました。

【「GIGAスクール構想」を理解するためのイラスト図解】

【ブックレット購入 申込み方法はこちら】

【教文センターだより157号より抜粋・一部省略】

ものすごい便利なものがやってきた!
学校はどうなる? こうなる!?

子どもに端末一人1台の時代がやってきました。
子どもの端末や保護者のスマホから次のようなことができるとのことです。

お知らせ等は端末・スマホで
【保護者対応】
①欠席,検温の連絡,学校からのお知らせや学級通信等の配信・閲覧(通信の形態もテキストベースと写真に変わる要素あり)
②家庭訪問や懇談の日程調整(自動的に調整できる機能あり)
③アンケートの配信と集計(記号は瞬時に集計される)
④提出物の配信と提出状況の把握(電話や連絡帳でやっていたことが端末に置き換わる)
⑤オンラインでの学級懇談会・PTA会議(わざわざ学校に出向かなくてもすむ)
⑥部活動の練習連絡(欠席連絡や試合の結果報告も)

子どものあらゆる「データ」を全教職員で共有
【子どもの様子】
⑦子どもはその日の健康状態(「心の天気」など)を入力。担任,養護教諭ばかりでなく,全教職員,管理職や教育委員会まで「見える化・共有化」
⑧子どもに関わった教職員が,その子の「いいとこみつけ」に入力
⑨気になる子どもがいると,学級ボードや児童生徒ボードをクリックする。すると,その子どもの出欠状況,保健室利用状況,活動記録,学習状況など様々な情報が一覧表示される。また「家庭のようす」では,家族構成や連絡先,個別の配慮すべき事項が確認できる(全教職員,教育委員会「見える化・共有化」)
⑩「個別の教育支援計画/個別の指導計画」で,支援が必要な子どもの情報を共有
※「心の天気」=その日の心の状態を,はれ,くもり,あめ,かみなりなどでクリック。雨,雷の状態や欠席・遅刻の場合は,アラートが表示される。

教師用端末で子どもの状態を把握
【授業など】
⑪宿題の配信と提出(写真を撮って提出),提出状況の把握
⑫ノート点検も⑪と同様
⑬テストの採点は答案をスキャンして串刺し採点,記号は自動採点。自動集計と細かい分析。端末で一斉返却(実物の答案も返却か処分)
⑭授業も子どもの表情を見なくても教師用端末を見れば,子どものとりくみ状況や何をやっているのか,全員の様子が窺える
⑮教師から提示された問題を解いたら,端末が説明し,AIが次の問題を提示してくれる
⑯現在,感染拡大に伴って,端末の利用がオンライン授業になりつつある
⑰担任と子どもとの連絡,子ども同士の連絡は端末を通して(チャット,SNS・メールに)

さて,どう感じられたでしょうか。このようなシステムを大阪市をはじめ,多くの自治体が取り入れてきているようです。

端末が(宿題等の)提出点検ばかりではなく,問題が解けた子どもに次の課題を提示してくれる便利さ。これまでPCを,授業プリントやテスト作成,成績処理,たまにプレゼンや動画作成など,いわゆるスタンドアロン的な利用でしか使ってこなかった筆者にとっては,便利な時代になったと正直にも思います。これで随分作業効率も上がるはずです。テストの採点作業はおそらく3分の1になるでしょう。

また,子どもの様子も,一人ひとりの子どもの様子を見るのではなく,端末を見れば瞬時に把握,しかも全教職員が把握し,端末を通して教職員同士が子どもの学習や生活指導で連携できるというのです。
 
私たちはあらゆるところで「監視」されている
私たちは,スマホを持つことによって地球の外からその人の位置を監視され,ネット検索することでその人の嗜好性,思想などが逆に検索されています。また,ハッキングされれば,スマホやPCのカメラからコチラの様子をのぞかれることもあり得る時代になっています。そしてそのスマホに,住民票など行政に手渡しているデータやクレジットカード・銀行口座,病院の診断履歴などが紐付けされるとなったら,みなさんはどう思いますか。

今,子どもたちはどうか。今後「GIGAスクール構想」がすすんでいけば,一人ひとりの子どもの保健上のデータや行動の記録,学習成績ばかりではなく,端末を利用すればその時におこなっている操作や状態が「スタディログ」としてクラウドに保存されていくことになっていきます。端末を利用すればするほど,子どもたちの1日の行動や学習記録がクラウドに蓄積されていきます。

内閣府の調査(令和3年3月)によれば,6歳児のインターネット利用率は7割を超えています。今後「子ども一人1台の端末」でその利用率は100%に近づいていくことでしょう。そうして,子どもの学習履歴(ログ)や生活行動や健康の記録とともに一人ひとりのデータがクラウドに蓄積されていきます。
これを誰が管理するのでしょうか。少なくとも,その人自身ではありません。

大阪教文センターが刊行するブックレット『「GIGAスクール構想」光と影,教育の展望―「個人の尊厳」を守り,教育保障を前進させるICTの活用へ―』は,「GIGAスクール構想」のねらいや本質を鋭く言及しています。その上に立って,憲法や国連「子どもの権利条約」の視点に立ち,教職員,子どもたちや保護者がともに考えあい,「21世紀の日本の教育」をつくっていこうという提案の第1弾です。

  

大阪教文センターだより157号

大阪教育文化センターだより157号の内容

2021年9月15日発行

【内容】
「GIGAスクール構想」を斬る!
教文センター第2回教育講座と
待望のブックレット刊行
『「GIGAスクール構想」光と影,教育の展望』

【内容一部紹介

ものすごい便利なものがやってきた!
学校はどうなる? こうなる!?
子どものあらゆる「データ」を全教職員で共有
教師用端末で一人ひとり子どもの状態を把握
私たちはあらゆるところで「監視」されている
「GIGAスクール構想」の意味するものは
第2回教育講座(10月9日)へぜひ参加を
メール等で事前にご意見も伺います
ブックレットの読み方

【ブックレット購入 申込み方法はこちら】

教文センター第1回運営委員会開催されました

これからの研究会 詩
教育のつどい全体会(9月25日)はオンライン開催に

■教文センターの2021年度サポーターになって下さい■

■ あなたも教文センターのサポーターに ■

サポーターになるには

① 右のQRコードから直接申し込む。

② 下の■申し込み先■をクリックして,送付先の住所・氏名等必要事項を記入の上,件名に「サポーター希望」とお書きの上,メールを発信してください。

後日,直近の大阪教育文化センターだより,おおさかの子どもと教育とあわせ,郵便振替用紙をお送りいたしますので,郵便局で振込をするか,直接教文センター事務局へカンパをお渡しください。
なお,ゆうちょ銀行や郵便局内のATMも利用可(局によっては土日利用可)

■ 申し込み先 ■

郵便振替 口座番号:00950-9-14083

加入者名:大阪教育文化センター

  

第1回教育講座(9月18日)概要(更新)

第1回教育講座
「コロナ禍のいまだからこそ,
子どもを大切にした教育活動と教育課程づくりを」

と き 2021年9月18日(土) 13時半〜16時半   
ところ 大阪府教育会館(たかつガーデン)2Fカトレア
参加費 資料代等500円(サポーター無料)     

第1回教育講座は,
コロナ禍での教職員・生徒会・学年・子ども同士のとりくみを報告。

■A4ポスターPDF

【概要】第1回教育講座は,コロナ禍で多くの自治体・学校で夏休みの短縮,行事の削減・中止がすすむ中,工夫を重ねながら行事を削減せずに進めてきた中学校のとりくみの報告です。昨年の実践から生徒の問題行動が激減し,「行事を充実させることが生徒指導」と教職員が確信を持ちます。
 報告する中学校では,2部制とした文化発表会(9月),応援合戦を中止にしたもの体育祭(10月)を実施,マスクをしながらも合唱コンクール(11月),学年レクリェーション(3学期)など,感染対策を講じながら普段と変わらない行事をおこなってきました。
 今年は,修学旅行が緊急事態宣言により2学期に延期されたものの,1学期には生徒が中心となって文化発表会の準備,体育委員会が企画・運営するミニ体育大会を実施しています。
 こうしたとりくみをおこなう中で,学校が落ち着いてきたようです。生徒会執行部も乗り出します。7月に入り,これまで紛失やいたずらが多く,教室前に移動していた傘立てをもとの下足場へ移動できないかと,生徒会執行部が職員会議に参加し,提案・プレゼンをおこないます。不安要素もあるのではという教職員の質問に対しても,執行部の生徒は,「私たちは仲間を信頼しています」と答え,粘り強くとりくんでいく姿勢を見せます。
 今,多くの学校で様々な工夫を凝らしながら,授業や行事をおこなっていることでしょう。第1回教育講座は,「コロナ禍のいまだからこそ 子どもを大切にした教育活動と教育課程づくりを」です。
 コロナ禍の折ですが,中学校ばかりではなく小学校や高校の先生など,声をかけあってご参加ください。(大阪教文センターだより№156より)

【お知らせ】第2回教育講座        
GIGAスクール構想で子どもは?学校は?  
10月9日(土)13時半〜           
大阪府教育会館(たかつガーデン)B1オリーブ

【「GIGAスクール構想」ブックレットはこちら】