第33回共同研究集会(3月21日)

【共同研究集会の感想】
小中学校でも身近に憲法に触れられる機会があればいいな
●(卒業生)憲法を活かす教育というテーマなので,難しい話になりそうだなと感じていました。でも,母校の高校を含めて,三つの報告を聴かせてもらっていると,どの実践報告も学校の中で子どもたちとの日常を聞き取りながら,なんだかんだ楽しそうに話されているのが印象的でした。小学校や中学校のレポートの内容みたいに,小学校,中学校でももっと身近に憲法に触れられる機会や,憲法が自分たちに何を約束してくれていて,どんな意味があるのか,学べる機会があればいいのになと思います。

中学生の詩がどれもすごく素敵で…
●(卒業生)先日行われた卒業式で,先生たちが「生きていたらそれで良いよ」と言っていて,「高校の生徒」を卒業しても自分の存在を大切にしてくれる人は居続けてくれるんだなって嬉しかったし,私自身も行きづらい思いをしている子どもたちに伝えたいって気持ちが強くなりました。とても幸せな時間でした。中学生の子の詩がどれもすごく素敵で,いろんな子の詩も見てみたいです。どの子にもその子なりの考え方があって,それは全部大切にしていてほしい気持ちで,私が大人になったとき,その気持ちを受けとめてあげられる人でありたいです。「この高校の存在がなくなっても良いくらい,他の学校が安心して過ごせる場所になってくれたらな」と書いた本人なんですけど,これからは子どもと関わる職業に就くので,そうなるように頑張ります。自分をこわさない程度で。もちろん高校はあり続けてほしいです。私の気持ちも,ゆっくりでしか話せなかったけど,聞いてくれて嬉しかったです。

「人間同士のつきあい」に尽きるのかなぁ
●基調提案から始まり,情勢について危機意識を持ちながら,実践報告を聞くことができました。高校の卒業生の言葉がとても心に響きました。「ケアする力は,ケアされることによって育まれる(近畿大学の先生)」という,それを体現していると教育の希望を感じました。私たちは日々,それをしているのだな…とも思いました。生きることが辛いという子どもたちがいて,死にたいと泣いて,「死ぬのを止めるなら,生きる意味を教えてください」と訴える子を前に,いつも困っていました。困りながら,何ができるか,考えてやってきたことが今日の報告した実践内容でした。でも,もしかしたら「教育者と被教育者に分けなくて言い,人間同士のつきあい」という,高校の言葉に尽きるのかなぁと…。話を聞いて傍にいること,それだけでも意味があったのかなと思いました。

また頑張って楽しんでいこう
●素敵な先生たちががんばって来て,そして自分も大切に思いながら,また子どもたちを大切に思い,自分も,子どもたちもたくさんの人とつながりながら,大切にしていこうと思って帰れる集会だったのではないかと思いました。呼んでくださって,本当にありがとうございました。また,頑張って楽しんでいこうって,思ってます。

本当にいい会でした
●こんなにたくさんの人といっしょに憲法について,教育について,個人の尊厳について考え合える時間を持てたことがほんとうにうれしかったです。何ら浮かび上がってきたことがあって,みんなでそれを確認することができて良かった。本当にいい会でした。

心がほかほかあたたかい気持ちに
●ずっと心がほかほかあたたかい気持ちでした。一人ひとりが大切にされている,そのことがその人だけでなく,まわりの人もあたためることになるんだなって思います。前に,ある子が「自分が直接何かをしてもらっていなくても,やさしくしてもらっている子を見たら,自分も(しんどいときは)そうして支えてもらえると感じられてうれしい」というようなことを言っていて,それと似た気持ちを自分も今日感じているのかなぁと。憲法どおりの学校をつくろう!と思ってやってきたわけではありませんが,子どもたちや教職員みんなと学校づくりをしていく中で,大切だなと思ったことが「憲法に書いてあるやん!」ってなって,嬉しくなったことがありました。『憲法に書いてあるから,大切』なのではなくて,人が人として幸せに生きていく上で大切なことが憲法に書いてあるという感じなのかなと思います。憲法をよりどころにしたらいいし,力の強い人が暴走しないためにも大切。『憲法を活かした実践がたいそうなことではない』というお話がでていましたが,人が生きることそのものだから,たいそうなことではなく,自然なことなのかなと思いました。でも学校現場が大変な状況であることは間違いないので,その中で踏ん張っておられる方々が今日ここに集まっていて,すごいなぁって思いました。そのことに卒業生もあたためられただろうなって思います。

願いや思いを言語化し,憲法と結びつけて共有していくことが大切
●卒業式が終わり,選挙も近づいていて,けっこうくたびれてるー!けど,今日ここに来て,すてきな実践報告を聞くことができて,元気が出ました。小学校実践はひとり飛び込みの6年生担任として「とにかく白黒つけずに,いつも以上に話を聞く,様子を見るを貫き」とおっしゃっていたし,中学校実践も子どもの否定的な自己表現を否定で帰さない,子どもたちが自分の思いを表現し,受けとめる集団に,とおっしゃっていた。高校も500人の子どもたちの個性をそのまま受けとめて,そこでともにすごすすべての人の尊厳が大切にされることを,いつも考えて過ごしている。「憲法」という言葉を出さずとも大切にされていることは同じだし,今日ここに集まった先生方もその思いはきっと同じだと思う。でもこうした場所でその願いや思いを言語化し,意味を問うこと,憲法と結びつけて意味づけして,共有していくということがすごく大切だと思う。こうした営みを重ねていくことなしに,大阪の教育つぶしに対抗するような運動をすすめていくことは難しいと,改めて感じました。
卒業生が子どもの想いを大切にし,支える仕事に就きたいと思っている,その想いに触れられて嬉しかったです。

一人ひとりが大切にされ,「楽しい」「明日も来たい」と思えるような,学校をいっしょにつくれたら
●今回話を聞くことができた実践は,すべて心温まるものでした。生きづらさや葛藤を抱える子どもたちの言葉や声なき内なる想いを受けとめ,居場所をつくっている姿に励まされました。「できるーできない」の観点で見てしまう学校教育ではなく,一人ひとりが大切にされ,「楽しい」「明日も来たい」と思えるような,学校教育を子どもも先生もいっしょにつくれたらと,改めて感じた。目の前の子どもを大切にする,そのことが個人の尊厳などに繋がっていくのではないかと思いました。平和であることの土台の上に,豊かな教育があり,戦争とは相容れないとも感じました。これからも目の前の子どもたちの想いをしっかりと受けとめ,仲間とともに教育のあり方を考えていきたい。

●今は,子どもたちも他人と比べられることで,認められ感を得られてしまっていて,個々のよさ,その人らしさを見てもらえていない,そうさせられていると感じています。私の子どもですら,ふと思うと,他と比べてしまっていたりするので,個を認めることを大切にしています。ただ,本当は(↑上のことを)わかってほしいなと思う学校が,政策によって個々を認めてもらえない,競争させられている,ともすれば,教職員同士が比較の目で,子ども,同僚を見させられていることに危機を感じます。(ゆとりがないと人のことを思えなくなる)つぶやきです

子どもたちをありのままに受けとめている姿に自問自答
●通知表や指導要録で,とても忙しかったのですが,無理してでも来て良かったと思いました。一人ひとりの子どもたちをありのままに見て受けとめて,肯定している先生方の姿,子どもたちの心からの言葉に感動しました。私はどうだろうか,忙しさ,時間のない中で,子どもたちを大切にできていないのではないかと自問自答していました。また4月から新たな子どもたちとの出会いがありますが,一人ひとりの子どもがありのままで安心して過ごせる場を子どもたちといっしょに作っていけたらいいなと思い,4月からの希望が持てました。ありがとうございました。

一人ひとりの成長への願いが,日々の実践に表れている
●みなさんの実践報告の中で共通していたのは,目の前の子どもたちにあわせて,対応されていること,そして「こんな人になってほしい」と一人ひとりの成長への願いが,日々の実践に表れている点だと思いました。だからこそ,今日発表された先生から学ぶ子どもたちの反応は,とてもリアルで,先生の想いにこたえようと成長していくようすに感じられました。(決して良いことばかり,ではなかったと思いますが,先生方の努力はきっと子どもたちの心に伝わっているのではと思います)
政治や憲法,個人の指導に突っ込んでいくことは,とても気を遣うし,触れなくても何とかなってしまいます。けれど,このような情勢の中で,自分を持ち,生きる力をつけるためには,必要なことだと改めて感じることができました。ありがとうございました。

命と生活を見つめ,科学の光を照らし,共に生きる道を拓いていく営み
●テーマに魅せられて参加しました。学ばなければ,生徒と向き合うことができないと思います。報告を拝聴しながら,来年度の授業展開のヒントや支援教育の視座を与えていただき,メモしました。生徒が学ぶ楽しさ,心地よさを味わい(経験し),学ぶ意味を発見できる学校を創りたいと思います。憲法を活かす教育とは,子ども(生徒)も教職員も命と生活を見つめ,科学の光を照らし,共に生きる道を拓いていく営みであると,学びました。(例)私の父は予科練で生き残ったこと(大日本帝国憲法)と私の生き方(日本国憲法)を語ったりしています。

よかった!good!
●小学校の先生へ,おりライオン良かった。平和をテーマにするなら,広島修学旅行(学年はじめで大変なことはわかります)で見たこと,考えたこと調べたことをもう少し丁寧に授業内容に埋め込んでほしい。長崎被爆の実際についても伝えてみると,リアルな授業が展開できたのは!憲法を生かすには,9条以外にも25条などは子どもの生活実感とあうので,検討ください。(中学校の先生の長崎平和宣言の解釈参照)
中学校の先生,「文句」の詩 良かった。広がる授業に発展させてください。詩の授業もいいですね。生きるとは何かを問う中学生らしさがたくさんでていました。劇のとりくみもいい,ゲストも多く,きっと楽しい中学校だろうと想像しました。
高校,good!

子ども一人ひとりを大切にする(=個人の尊厳)実践こそが「憲法を生かす教育」
●「憲法を生かす教育」というテーマ出会ったけれど,結局,子ども一人ひとりを大切にする(=個人の尊厳)実践こそがそれであったということが明確になったと思います。翻ると,今の「人材育成」をめざす教育がいかに子どもたちを傷つけているか,が浮かび上がってきたと思います。これからの教育のあり方が見えてきたように思います。

2月の研究授業は圧巻
●欠席するつもりでしたが,教文セ運営委での副代表の「共同研究集会でお会いしましょう」という言葉に応えなくては,と参加しました。
中学校の実践は,「教育のつどい」でお聞きしていましたが,2月の研究授業は圧巻でした。感動しました。研究授業という,他の教師のいる前で,「言いたい」という子どもの思いがいいですね。担任だけの場と違う子どもの意見表明に値打ち,子どもの詩をまとめてカラーで詩集に出版できるくらいですね。これこそ主権者国民を育てる教育だと思います。
小学校の実践は,憲法が前に来て,どんな授業になるのか,心配していたことが吹き飛ぶ実践で,勉強になりました。
タブレットを使わなかったのが,使えなかったのが(典型的な授業)良かった!!「ABCに分ける」先生が謝られたというのも,決して一致できない人でないことに,教育実践が理屈の違いを乗り越えたことがすばらしいと思いました。

人は成長しようという欲求を持っている
●「憲法を生かす教育」とか「憲法が生きる社会」とか,「憲法」という言葉が持つイメージ(遠い存在,重たさなど)に引きづられてしまって,どうしようと思っています。たぶん「今のままではいけない」という人や,教職員がたくさんいるにもかかわらず,響いていない,届いていないと思えるのです。
どうしていけばいいのか,そこがうまく繋げられれば,もっと参加者が広げられ,社会も良くなっていくのですが…。話が広がりすぎました…。
もともと,人は成長しようという欲求を持っていると信じています。それに寄り添うことを大事にしていきたい…そう思える集会でした。ありがとうございました。

●どの報告も,とてもすばらしいものでした。優れた教育実践を支える学校の体制が必要だと思います。教員の自由と権利,学校,教育委員会の民主的体制の確立が必要です。

●とっても遅れて参加したので,感想を記すのっておこがましいのですが,フロアからの発言中にあった,子どもの自己表現(「心からの言葉」)が生まれてくる背景に,そこに至るまでに子どもたちの声にならない声を丁寧に聴いたり,眼差したり,寄り添っている事実があるのではないか,という意見が印象に残りました。そして,そのためには,最後に浦田さんがおっしゃったように,教職員間の子どもの姿をめぐる交流,語り合いがあるのだろうと,そんな教職員の仕事の原点をあらためて認識させてもらえる,大事なつどいでした。

●3本の実践報告に圧倒されました。「個人の尊厳を大切にする」子の視点を大事にしていきたいです。これを実現していくためにも,教師自身が大切にされる学校をつくらないと,何でも競争・成果を上げろで分断される,こんな教育政策を根本から変えないと。あと1年,微力ですが、一人ひとりを大切にできる学校をつくれるように,頑張りたい。

●憲法を授業に生かす教育ということで,的をしぼっての実践報告でした。テーマは大きかったのですが,教育の原点(子どもの成長,人格の完成・成熟)にたつ教育実践だと思いました。
実践報告の中に,「今日死ぬ」「死に場所を探している」生徒がいると聞いて,現役時代を思い出しました。自殺未遂の子どもの担任を持つことになったときのドキドキ・オロオロ感を思い出しました。2年間担任をして,彼女の闇(病み)になかなか気づけずにいた2年間。やっと知ったときの無力さ!でも,教師をやっていて良かったと思える,教師集団の力。発表していただいた先生方の職場づくり,同僚性のあるいい集団(職場)なのかなぁ。

●教育実践を「憲法」という視点から問い直すことの重要性。なかなか日々の業務の中で,意識する機会はないが,そうした意識を持ちながら実践を振り返ることは,こういった学びの場でないと気づきに繋がらないのではないかと思う。何度か,このテーマで学習を行ってもよいと思う。(「教育のつどい2023(全国)」のフォーラムDかCあたりにも通じると思うので,参加してもらいたい)
「国の決めた未来社会」の型にはめる教育ではなく,「未来の社会を自由につくっていく」子どもたちを大切にした教育をしたい。

●まず、山ほど教育現場の課題がある中で最も大切な「憲法を生かす教育」「平和・人権・民主主義を学び合う教育」にしっかり目を向けたテーマを選ばれたことに敬服します。
 戦後の教育はずっと憲法を守ろうとするものと壊そうとするものとの闘いで、わたしたちは確かな民主教育の財産を引き継ぎ、また豊かなものにしてきました。
 それが今また「平和か戦争か」を前面に出してきた攻撃の中にいます。だからこそ「今だからこそ」のテーマになったのだと思います。
・小学校の先生ではありませんが私も「昔は良かった」という言葉を使いません。
 ただ積み上げてきた民主教育の土台はまさに「憲法を生かす教育」であるのでそこには確信を持って、子どもたちを育んでいきたいと思います。
・基調提案を30分にしてほしかったな。
・真ん中世代の少し下の若い世代の教職員の方々の短いレポートを出してもらい,日常大切にしていることが「憲法を生かす教育だ」というレポーターとしての経験をしてもらうといいかなと思いました。