【追加提言】登校日の対応と学習課題

休校中の登校日の対応と休校中の学習課題について

2020年5月13日 大阪教育文化センター事務局
5月18日 算数プリント類案内追加
5月22日 数学プリント類追加

 全国一律休校要請とそれに続く緊急事態宣言にともなう休校措置が約3か月に及ぼうとしています。5月1日に文部科学省が「新型コロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業に係る学校運営上の工夫について(通知)」を出したこともあり、各地で休業期間中の登校日が設定され、分散登校が始まっています。
 また、これまでもおこなわれていましたが、この分散登校と一体に、家庭学習の課題を子どもたちに渡して、学習を促すとりくみもすすめられています。
 この休校中の登校日をどうするか、休校中の学習課題について、どう考えればよいか、先生方もいろいろ考えておられることと思います。私たち教文センターは、先に出した「提言」※(4月27日)をふまえ、以下のように考えます。ごいっしょに考えあいたいと思います。

※■【提言】学校再開に向けた いまだかつてないとりくみを■

§1.休校中の登校日について

登校日は子どもたちとの最初の出会い

 分散登校という変則的な登校日とならざるを得ませんが、しかし、それが子どもたちとの今年度の最初の出会いであることは間違いありません。この休校期間中、子どもたちはさまざまな過ごし方をしてきたと思いますが、「提言」にも書いたように、大人以上の寂しさと、不安を抱いて過ごしてきたに違いありません。
 まずは、その子どもたちをやわらかく受け止めたいですね。新任の先生方にとっては、文字通り初めての子どもたちとの出会いです。また、新しい学校に赴任されてきた先生方にとっても、初めての子どもたちとの出会いです。
 その学校に何年か勤務されている先生方は、持ち上がりの場合は、昨年度担任した子どもたちがいます。そうでない場合でも、これまで担任した子どもの兄弟や児童会・生徒会や委員会活動、部活動で見知った子どもたちがいると思います。
 しかし、どの場合でも、子どもたちとの新しい出会いです。子どもたち一人ひとりとの出会いを大切にしたいですね。

子どもの様子をみるチャンス

 休校中の登校日は、子どもの様子を把握するチャンスです。地域によれば、登校日におこなうこととして、たとえば、①健康観察、②課題の確認、③体を動かすなどが提起されているところもあるでしょう。その場合でも、機械的にそれをおこなうことは避けたいと思います。
 健康観察の場合でも、チェックシートに書き入れるという対応ではなく、子どもの様子をしっかり見て取ることが大切だと思います。休校前の子どもを知っていれば、登校したときに「この子、少しやせたみたい」と感じたら、家庭の事情から昼食を満足に食べることができていなかったのではないだろうか、あるいは夜にはコンビニ弁当ばかりで過ごしていたのではないだろうか、と心を働かせることが大切でしょう。

子どもの気持ちを思いやり 向きあう

 また、少し顔色が悪い子もいるかもしれません。子どもが家にずっといるストレスで、父母・保護者も子どもとの関係がよくない状態にある場合、子どもの居場所であるべき家庭が、子どもにとって生きづらい場になっており、そのことが原因となって、健康状態に問題が生まれている場合もあるかもしれません。
 
 登校日に子どもと対面することによって、子どもに声をかけて励まし、そうした子どもの実態を把握し、必要な手立てを打てる場合も生まれてくるのではないでしょうか。
 このように子どもを見て取り、子どもとの言葉のやりとりもとおして、この子は休校期間、どんな生活をしてきたのだろう、という想像力を思いきり働かせて、子どもに向き合いたいものです。

職員室で語りあえば 課題も見えてくる

 そして、職員室に帰ったら、「あなたのクラスの子ども、どうだった?」と同僚と様子を語り合ってみたらどうでしょう。その語り合いをとおして、課題を抱える子どもに対する手立てが見えてくる場合もあるのではないでしょうか。そうすれば、課題を一人で抱え込まなくてもすむと思います。
 学習課題の確認についても、休校期間に家庭で、どんなふうに勉強してきたのか、いろいろな要因で家庭学習がうまくすすまなかった子どもが、そのことを語れるような空気のもとで、おこないたいと思います。

新しい先生はまずは自己紹介から楽しく

 新任の先生や新しく赴任された先生は、「君たちにあえて、本当にうれしい」という気持ちをうんとふくらませて、自分の自己紹介を楽しくやりたいし、子どもの自己紹介とキャッチボールするようにできればいいですね。
 そんなことをとおして、子どもたちも「やっぱり学校っていいな」と思えるような登校日になるよう、工夫しませんか?

交換日記などで伝えあい

 また、可能であれば、子どもたちと日記をやりとりすることもいいと思います。「先生は、みなさんと心と心をつなぎたい。だから、あなたが、おうちでどんなふうに過ごしたのか、どんなことを考えていたのか、先生はとっても知りたいと思います」と語って、「次の登校日にもってきてね」と伝えましょう。
 そうすれば、子どもたちと双方向のやりとりができ、子どもは先生と学校をイメージしながら、先生は子どものくらしをイメージしながら、毎日を過ごすことができ、子どもも先生も次の登校日が楽しみになるのではないでしょうか。

登校日は子どもとの出会いを大切にする日

 そんなふうにして、登校日を子どもとの出会いを大切にする日、子どもを発見する日とすることができれば、学校が再開したときには、フッと力を抜いて子どもたちに出会える新しい世界からの出発ができるのではないでしょうか。
 とはいえ、学校が再開されたとしても、これまでと同じように、すべての子どもたちが登校して学校生活が始められるかどうか、まだはっきりしたことはわかりません。
 でも、どのようなスタートになったとしても、先生は、これまで抱いてきた「子どもに会いたい」という思いをうんとふくらませ、子どもたちの「学校に行きたい。先生と会いたい」という思いと重ね合わせることができれば、必ず新しい出発ができると思います。

§2.休校中の学習課題について

家庭学習は教育の専門家としての判断で

 休校中であっても、子どもたちに学習課題を与えることは必要なことです。でも、何をどう与えるかについては、よく考える必要があると思います。
 最近のTVで、学校から課題を与えられた子のお母さんが、「家で教えるのは難しい」と語っている姿が放映されていました。確かにそのとおりで、学校がそのつもりはなくても、結果として、家庭に学校の役割を押しつけてしまうことは避けなければなりません。
 ですから、子どもたちの家庭での学習のために、何をどう与えるかについては、教育の専門家としての判断が求められます。
 2つのことを考えておいたらどうでしょうか。

課題は 前学年の復習を中心に

 第1は、課題については、前の学年の復習を中心にし、前の学年の学習で、「ここに力を入れておけば、新しい学年での学習をすすめるうえで役に立つ」という内容を精選することです。
 小学校の算数を例にとると、一番わかりやすい例は、新3年生の場合、2年生でのかけ算をしっかりやっておくことです。
 3年生の算数では新しくわり算を勉強します。わり算の学習のためには、1あたり×いくつ分=全体の量というかけ算の意味が分かり(これは等分徐、包含徐を理解するために大切です)九九が自在にあやつれることが重要な条件となります。

前学年で扱った教材の音読や漢字復習

 また、国語では、読むことと書くことの基礎をしっかりやっておくことではないかと思います。国語の教科書の音読は日常の家庭学習としても多くの先生方が宿題という形で出しておられるのではないでしょうか。
 前の学年で習った優れた文学作品や説明文をよどみなく読むことができるように音読の練習をやることは、新しく始まる学年での学習にきっと役立つと思います。
 書くことでは、漢字の復習をやることがいいのではないかと思います。漢字は前の学年で習った漢字だけでなく、たとえば4年生ならば、2年生の漢字から復習しておくのもいいと思います。なぜならば、2年生でも「曜」や「顔」などの18画という画数の多い漢字を習っていますが、そのときには覚えきれなかったということも考えられるからです。

 このような課題を与えれば、父母・保護者に負担をかけることなく、子どもたちが自分の力でとりくむことができるのではないでしょうか。

子ども・保護者へのメッセージとともに課題を

 第2は、子どもたちが意欲をもってとりくむことができる工夫と、父母・保護者が負担に感じることのないような工夫が必要だと思います。
 たとえば、課題を出す場合でも、「〇〇をいつまでにやってきなさい」という形ではなく、子どもと父母・保護者へのメッセージといっしょに課題を渡すということも考えられるでしょう。
 そのメッセージでは、「今日の課題は前の学年での復習だけれど、これにしっかりとりくむことによって、新しい学年でのこの学習にきっと役立つよ」ということが子どもに伝わるようにしたいものです。
 また、父母・保護者にも、「今この課題をやる意味は、ここにあります。だから、子どもの学習を見守ってあげてください。お母さんが無理に教えようとしないでいいですよ。もし学習につまずきがあれば、それは学校が始まってから、子どもの実態をよくみて、私の方でしっかりと教えたいと思います」ということが伝わるようにしたいものです。
 
 そんな中身の学級通信といっしょに子どもに課題を渡せば、家庭学習のとりくみ方が変わってくるのではないでしょうか。いろいろな工夫ができると思います。ぜひ、とりくんでみてください。

【追加1】仮説社「たのしい授業5月号」から「新型コロナウィルスって?」という動画があります。授業にも使えます。15分

以下のサイトにこの動画のパワーポイント版、PDF版、解説資料、ワークシートなどがダウンロードできるようになっています。

■解説資料等のダウンロード■

【追加2】何森真人さん(数教協)より、休校中の分散登校、家庭学習に使えるプリントの提供。「ウチで学ぼう!算数」のデータ集(PDFファイル)です。「家庭で」「学校でいつもより短い時間で」「学校と家庭学習を合わせて」などに利用できます。

3年算数:たし算の筆算(PDF)

■算数プリントダウンロードはこちら■(さんすうしぃ!!)

①小2:たし算の筆算 ②小2:ひき算の筆算
③小3:たし算の筆算 ④小3:ひき算の筆算
⑤小3:あなあきかけ算(わり算の前に)
⑥小3:かけ算の筆算の前に
⑦小34:わり算の筆算プリント作成シート
⑧小4:わり算の筆算(÷1ケタ)
⑨小5:小数のかけ算 ⑩小6:分数のかけ算

【追加3】中学2年数学プリントを追加。中3の復習用として,また中2の単元のまとめとして。基礎計算プリント=くりあがり・くりさがりのある問題を三角形や平行線の角度の問題として追加しています。(zipファイル)

中学2年数学復習プリント

【追加提言2】「オンライン授業」について

【追加提言3】小学6年 中学3年の教育課程について