吹田の両退職者会が連名で「チャレンジテストの問題点に対する意見書」

吹田市の教職員の退職者組織の代表が連名で吹田市教育委員会に「チャレンジテストの問題点に対する意見書」を提出しました。日教組系と全教系の組織が力を合わせました。

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2017年1月6日
吹田市教育委員会
 教育委員長  谷口 学 様
 教育長    梶谷尚義 様

吹田市教職員退職者会会長 岩田 勝
吹田市退職教職員の会代表 辻口 隆

チャレンジテストの問題点に対する意見書

 大阪府教育庁は、昨年6月23日(木)に中学校「チャレンジテスト」を中学3年生に実施し、中学1・2年生は、昨年に引き続き、本年1月に実施するとしています。またこの結果が、今春の高校入試の調査書評定に利用され、今後、中学1・2年生の内申点も高校入試に反映することが決定されています。このことは、次のような問題点があると私たちは考えます。

(1)中学3年「チャレンジテスト」の結果で各中学校が格差づけされます。

 中学3年生では、6月23日に実施されたテストの結果によって、各中学校の調査書評定平均が決定され、評定平均の高い学校は高い評定が多く出るように、低い学校は低い評定が多く出るようになります。これでは通う中学校の格差を一人一人の生徒に背負わせることになり、生徒のがんばりが反映されなくなります。

(2)高校入試における内申書の意味がなくなります。

 中学1・2年生の調査書の評定は、たった1回のチャレンジテストの結果で評定の変更が余儀なくされる場合が起こり、これでは、各学校が責任をもって日常の学習成果をもとにした絶対評価の評定が意味のないものになり調査書の意味がなくなります。
 このことは、府教育庁が生徒の学習意欲を高め、個人の努力が反映されるようにと、絶対評価の徹底を入試の調査にも導入したことを否定することになります。

(3)地域社会にもゆがみをもたらします。

 チャレンジテストによって中学校のランクづけが生じ、当該校で学ぶ生徒を初めとして卒業生地域住民が学校に寄せる愛着を失わせ、越境入学という弊害も含めて地域のつながりを崩壊させることにもなります。

(4)府校長会も要望書を提出しています。

 大阪府公立中学校長会の要望書(平成28年度)には、今回の制度改革はあまりにも拙速であると次のように指摘されています。「高校入学選抜方法について、調査書に記載する評定については、各中学校に委ねられたい。新たに制度設計を行う場合は、早急かつ事前に本校長会に提示し、意見交換の場を設けるなど、制度設計について十分な時間をかけ、周知してから実施されたい。」

 又、貴教育委員会は、吹田市議会での質疑で、これらの問題点を課題として認め、「中学校の教育活動に与える影響に十分配慮したものになるよう、今後、大阪府教育庁に提言していく。」と答弁されており、大変心強く感じています。

 すでに実施される中で、生徒たちから、「俺たちテストに参加しない方がいいかな」といって休んだり「通っている校区によって内申書に差が出るなんておかしい」などの声が出ている事もふまえ、貴教育委員会が、大阪府教育庁に対して意見具申されるよう強く要望致します。

以上