中学生チャレンジテストは廃止・撤回に

 6月23日(木)、中学校3年生「チャレンジテスト」が実施されました。8月末に各中学校に返却された結果により、それぞれの学校の評定平均が決定されています。

 これまで、「大阪教育」5月号・6月号でも問題点を指摘してきましたが、このままでは、高校入試がきわめて不公平なものになってしまいます。
(以下、ピンクのところをクリック・タップすると説明を表示します)

「わかりやすい」府民向けビラが完成しました

教育・文化府民会議作成の、「わかりやすい」府民向けビラが完成しました。
このビラを対話に活用し、廃止・撤回へ運動を一気に広げていきましょう。

教育・文化府民会議が新しく作成したビラ
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許せますか?不公平な入試

 中学3年生の「チャレンジテスト」の結果によって、各中学校がつけることのできる内申書の学校平均が決まります。大阪では、学校間や地域間における平均点の差が大きいため、平均点が高い学校では、内申書の学校平均が「4」を超える一方で、平均点が低い学校では、「2」前後に抑えられるといったようなことが実際に起こっています。学校平均が「4」を超える学校では、内申点のほとんどが「4」か「5」ばかりになりますが、学校平均を「2」前後に抑えられた学校では、「1」~「3」しかつけられません。これにより、通っている中学校によって、高校入試に有利な学校と不利な学校が生まれ、高校入試そのものが、不公平なものになることは明らかです。

本当の成績が評価されない

 さらに重大な問題があります。

① 6月のテストで各中学校の1年間の内申平均が決定されること

② 5教科のテスト結果で、9教科全ての内申平均も決定されること です。

 6月のテストで1年間の内申平均が決定されるということは、6月以降にどんなに頑張っても、その頑張りが内申点に反映されることはありません。そして、5教科のテスト結果で、音楽、美術、体育、技術・家庭の内申平均が決定されるということは、どんなに音楽や体育が優れていても、それが成績に反映されないことを意味します。子どもの一人ひとりの成長を評価する「絶対評価」とは言えません。

子どもたちの人間関係まで…

 「チャレンジテスト」によって、各中学校は高い内申点を獲得するために、学校間競争に駆り立てられています。その結果、子どもたちの人間関係にまで悪影響をおよぼしています。

 テスト前の子どもたちからは、「お前がテスト受けたら、平均点が下がる」「私たちが頑張っても0点とる子がおるしな」「頭のいい人にがんばってもらおう」などの声があがったり、学校の平均点下げるから「俺たちテストに参加しないほうがいいかな」といって、実際に学校を休んだ子がいます。そして、学校のために休むといった子を称賛するようなこともあったと大教組が行った実態調査の中で明らかになってきました。

 このテストによって、子どもたちは過度な競争に駆り立てられ、人間関係までズタズタに切り裂かれる状況に追い込まれています。

絶対できる廃止・撤回!

 大阪府下では、様々な地域で「チャレンジテスト」に関する学習会が開かれています。

 その中で、「中学校の説明会では、こんな問題があることなんかわからなかった。もっと、このような学習会を開いてほしい」「今日の話を多くの人に話して広めていきたい」などの声が多く聞かれます。このチャレンジテストをめぐる問題は教職員のみならず、父母・地域との共同で運動を大きく進めることで、確実に廃止・撤回に追い込むことができます。

「大阪教育」1876号 2016.9.10. 大阪教職員組合発行