おおさかの子どもと教育109号 2025年1月【頒価300円】
【内容】子どもの表現する力
特集1
【小学校】学級づくりと作文教育
〜「表現したい」と思える教室をめざして〜
【中学校】劇 三年目の集大成
【高等学校】詩と絵画の表現で自身と周囲を見つめる
(言葉や文章を「読み込む力」の育成とその絵画表現による相互的な学び)
特集2
公開研究会 ジェンダーについて考えよう
家庭の中の暴力とは何か〜DVや虐待の中での子どもたち〜
読者の声・編集後記(全32ページ)
■表紙の絵■
「雨が霙(みぞれ)に変わってくると」 (高等学校 3年生)
時間をかけてじっくりと「詩」を味わうことからスタートします。その時に「言葉、文章」を深く読み込み、自分が今まで持っていた「言葉、文章」を見直し、その真意を考えます。十分に読み込んだら「坐禅(瞑想)」を約3〜5分間して、今、読み込んだ「詩」について考え、イメージを広げます。そして、約1時間30分制作して1枚の絵で表現しました。
使用した画材は透明水彩絵の具(以下、透明水彩)と半透明の紙です。透明水彩絵の具は透明度が高いため、下に塗った色の影響を強く受けますが、それに加えて半透明の紙(トレーシングペーパー、半紙、ティッシュペーパーなど)を透明水彩で着色しつつ、コラージュ(貼り絵)をすると、うっすらと透けます。それも利用しつつ「詩」の世界を具現化していきます。
この時に、「言葉、文章」で表現しきれない思いを、半透明の紙のコラージュによって生じた、透明水彩とは違う「複雑で多様な価値観を持つ色」も使いながら、模索と学びを瞬間瞬間で判断して作品を完成させます。生徒たちは、貼り付ける紙が透明水彩を塗るとふやけて波打つなど、扱いに四苦八苦していましたが、その体験も学び、何とか表現する粘り強さの育成も狙います。
完成したらすぐに「鑑賞会ワークショップ」をします。クラスメイトの作品を見て回り、いいなと思ったら丸印を書く「投票」、その理由も書いて相手に渡す「手紙」などを通して自分以外の表現を尊重し、学び合い、お互いに切磋琢磨する姿勢を養います。この時間は、生徒たちの達成感、好奇心、驚きなど様々な思いが入り乱れ、盛り上がる楽しい時間となります。
「詩」は宮沢賢治の「雨が霙に変わってくると※」を取り上げました。抽象的な言葉と具体的でイメージしやすい言葉が出てきます。「にごった」などは前回に同様の流れで制作した「詩」にも通じ、抽象的な概念と具体的な事物の間で揺れ動くイメージを作品化するトレーシングでした。
※ 雨が霙(みぞれ)に変わってくると (宮沢賢治詩集 草野心平編 「疾中」より)
雨が霙に変わってくると
室(へや)はよどんで黄いろにくらく
仰いでさびしく息すれば
おおまた 左肺よ 左肺のなかに
にごったルビーの洋燈(ランプ)がともる
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