<決議> 憲法違反の戦争法案の廃案を強く求めます
2015年6月27日
大阪教育文化センター運営委員総会
安倍内閣は、昨年7月1日の閣議決定にもとづき、今開かれている国会に戦争法案を提出し、国会で審議がおこなわれています。国会審議をとおして、戦争法案の重大な問題点が浮き彫りにされてきました。
第1は、この戦争法案が憲法違反であるということです。
6月4日に開かれた衆議院憲法審査会では、自民党推薦の参考人もふくめ、すべての参考人が、憲法違反という見解を示しました。また、6月22日の衆議院安保法制特別委員会での参考人質疑では、元内閣法制局長官がそろって憲法違反を明言しました。
このように、集団的自衛権行使を可能とする法案は、まさに憲法違反であり、強行することは断じて許されません。
第2は、異常なアメリカいいなりのもとでの戦争法案であるということです。 日本はこれまで、「トンキン湾事件」から「イラク戦争」に至るまで、アメリカが起こしたいかなる無法な戦争であっても、これを違法であると反対したことは一度もありません。そうした政府がアメリカの起こす無法な戦争への参戦に「ノー」ということができるはずもなく、無条件に参戦するということにならざるをえないという重大な危険性を持つものです。
第3は、過去に日本が起こした戦争を侵略戦争と認めない政府が戦争法案を強行しようとしていることです。
日本が引き起こした過去の侵略戦争に対する反省がまったくない政府が「海外で戦争する国づくり」に乗り出すというこれも極めて重大な危険性を持つものです。
国民世論を見ても、6月23日付朝日新聞の世論調査では、集団的自衛権を使えるようにしたり、自衛隊の海外活動を広げたりする安全保障関連法案について、「反対」が53%で「賛成」の29%を大きく上回っています。また、今国会で成立させる「必要はない」は65%で、「必要がある」の17%をこれも大きく上回っています。さらに共同通信社が5月30・31日におこなった世論調査では、政府が戦争法案を「十分に説明していると思わない」との回答は81.4%にのぼっています。にもかかわらず、自民・公明両党は、国会会期を戦後最長の95日間延長し、9月27日までとする案を国会で強行しました。戦争法案強行のための会期延長は、まさに暴挙と言わなければなりません。
戦争は、最大の暴力であり、国民のくらしや安全を根底から覆すものです。そして、何よりも子どもたちの未来を閉ざすものです。大阪教育文化センター機関誌『おおさかの子どもと教育』80号に寄稿した高校生は、こう語っています。「安倍首相は、集団的自衛権や戦争立法の説明をするとき、『平和』と『安全』という言葉を何度も使っていました。でも、私は『平和』と『安全』と『武力行使』がどうしてつながるのか、どうしても納得できません…戦後日本は一度も外国に対して武力行使せず、世界の国々から治安のいい、平和な国だと思われてきました。でも戦争立法によって他国でも武力行使ができるようになったら、きっと世界の日本に対する印象は悪い方に変わってしまうと思います…集団的自衛権を行使する事態が起こった時、実際に海外へ行って活動するのは私たち若い世代の人です…集団的自衛権のことや戦争立法のことはクラスの全員、ひいては日本全国の人が自分のこととして考えなければいけないことだと思います」
高校生は、そして子どもたちは、戦争法案について真剣に考え、その危険性を見抜いています。そして、心から平和を望んでいます。私たちは、この子どもたちの願いにこそこたえなければなりません。
子どもはその存在そのものが希望であり、その存在そのものが未来です。子どもたちの未来を閉ざす戦争法案は、廃案しかありません。
そのため、私たちは、平和を願うあまたの人びとと手を携え戦争法案反対のとりくみを強化するものです。
以上、決議します。