おおさかの子どもと教育  98号 2020年3月

おおさかの子どもと教育 98号 2020年3月発行【頒価300円】
【新提案】コレが教職員の働き方〜自分を大切にしていますか〜

【内容】
1 自分を大切にしていますか?

2 教職員の働き方改革と教育課程づくり Q&A
   〜子どもたちの学習負担を減らそう〜

3 現場発!「働き方改革」→出発点は子どもたち
     教職員のスペシャルな部分をいかして

4 現場発「働き方改革」
  〜大切なことを共有し,小さな調整を積み重ねて〜

5 「現場発『働き方改革』」から学べること

6 教職員の人事評価システムと働き方改革

7 サボって・手を抜いて・不問に付す!
   まずは月1〜2回の年休でリフレッシュ

8 やっぱり教職員を増やさないと

9 教育委員会がなくなれば,ラクになるのか!?

10 父母・府民のみなさんへ

中身をちょっとのぞき見

サボって・手を抜いて不問に付す!
まずは月1~2回の年休でリフレッシュ

 「教師の超過勤務って,何だかんだ言っても変わらないんじゃないの?」
そんな声も出てきそうです。
 缶コーヒーBOSSに「サボるって,ひとりでとれる小さな休み。缶コーヒーの出番かな?」というキャッチコピーがあります。
 学習指導要領の「主体的・対話的で深い学び」のことをSTFと言っているようですが,ここでいうSTFは「サボって・手を抜いて不問に付す」です。
 過労死ラインを超えて働く先生が6割以上となっている今,教師の働き方を根本から考え直すのは急務です。「1年単位の変形労働時間制」の導入は,今よりもっと深刻な事態をひき起こします。これに合わせて会議開始時刻を遅らせようものなら,退勤時刻をますます遅らせるだけです。

 教師の長時間過密労働の解消のためには,根本的に次のことが必要です。
①授業総時数の縮減(教科内容の精選・削減=学習指導要領の見直し)
②少人数学級の実現(当面35人,30人学級を=教職員定数増)
 教科内容を精選し,授業の持ちコマ数,1クラスの人数を少なくすることが何より求められます。1980年に1学級の定数が45人から40人になり,40年ほどが過ぎました。学級定数の見直しは必須です。しかし,これらの実現にはまだまだ時間がかかることでしょう。また,この2点だけでは教師の仕事量は減りません。それぞれの職場での見直しも必要です。

③会議終了時刻は16時半で
 肥大化した校務分掌をスリム化する必要があります。不要な「事務処理」も少なくないと思います。これに乗じて,教育課程や学校行事のスリム化はどうでしょうか。労働衛生を考えて,実際に家庭訪問や遠足が廃止になった学校も出てきていますが,「子どもの成長発達にとってどうなのか」を考慮しましょう。このような見直しも即実施とはいきません。
 しかし,例えば職員会議は高校のように毎週行う。ただし,会議時間は30分とし16時半には必ず終了するとすれば,月1回の職員会議よりも時間が短くすむ可能性も出てきます。また「変形労働時間制」のもとでも会議終了時間は16時半とすることで,若干の残業時間は緩和されるかもしれません。

④月1~2回の年休でリフレッシュ
 働きづめで,多くの教師が過労状態となっています。「仕事に見合う残業手当を」との声もよく聴きますが,仕事のしすぎで心身に異常を来しては元も子もありません。教師も「体が資本」です。「明日も元気に子どもたちと出会う」ためには特効薬が必要です。
 そのために曜日が偏らず,計画的に月に1,2回は年休を取り,その日は思いっきり気分を変えてみてはいかがでしょうか。これならすぐにでも実行できます。しかし平日は休めない,子どもたちのことや授業の進度が気になる,同僚に迷惑がかかるかも…と罪悪感が先に立ち心配事には事欠きませんが,そこは一気に断捨離です。無理にでも取らなければ,体を壊します。高熱の場合は休みを取りますが,それと同じ感覚で計画的に年休をとることで元気でいられ,子どもたちの願いにも応えられるのではないでしょうか。ただし,実際にあった話ですが「土日に部活動,月曜日に年休」では本末転倒です。ご注意を。

 長期休暇を除けば,年10日の年休です。そして,学年のなかで合意がとれるようであれば,学校全体に広げることもできます。すべての教師が月1回の計画的年休を取得するのが難しいようであれば,まずは1,2学期で各3回,3学期は2回の年休でも。

⑤何でも相談できる,温かい雰囲気の職場
 大阪教育文化センター「学校づくりと教職員」研究会の調査で『学校と教員の「温かい協働的関係」「管理職との信頼関係」「相談できる仲間」がバーンアウト(燃え尽き症候群)を緩和する。学校と教員の仲間作りは,教員がチームになって子どもたちと接する仕組みと雰囲気が基盤になって生まれてきている』ことが明らかになりました。
 教師同士の人間関係が温かい雰囲気の職場であれば,子どもへのまなざしもきっと温かなものになるでしょう。

 しかし,現実はどうでしょう。○○スタンダードの強制,道徳のローテーション授業,そして「もぐもぐタイム」と称する黙食,無言清掃…。ジリジリと広まっていく中で職場のギスギス感が増えているかもしれません。
 そんなときだからこそ,「お茶,しません?」「ちょっとぐらい遊びません?」などと声をかけあってゆったりとした時間を作ることはできないでしょうか。ちょっとサボる,手を抜く…,ほんの少しの後ろめたさとともに余裕も生まれてくることでしょう。そのうちに学年の輪ができたり,悩みの相談があったり,いっしょに教材研究したり…といったことが出てくるかもしれません。
 今やっている仕事の削減はすぐには無理かもしれませんが,要所要所で「まず自ら休む」こと,悩みを共有し,何でも相談できる暖かい職場づくりでリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。

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